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槍を突きつけられ、腕を掴まれているアタシを見るなりフジサキが動いた。
アタシの前に立ち、突き付けられた槍をガッと握る。
慌てた騎士が振り払おうとして、暴れる。その拍子にアタシの腕を掴んでいた手が離れ、アタシは咄嗟にフジサキの後ろに隠れた。
フジサキは槍をぐっと掴み、思い切り捻って突き飛ばした。
唐突の攻撃に反応し切れなかった騎士は無様にその場に転がった。
「マスター、お怪我はございませんか?」
「う、うん。ありがとう、フジサキ」
「何者だッ! 貴様もスパイの一味か? 抵抗するなら、容赦せんぞ!」
転ばされた騎士……区別が付かないから仮に騎士Aとしておこう――が立ち上がった。
無事だったもう一人の騎士Bも警告を発しながらこちらににじり寄って来る。
どちらも、素人にでも分かる殺気を放っている。
ひぃい、ヤバイよ。火に油注いじゃったよ。ロイズさん家の庭に血の雨が降りそうだ。
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