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JKのアタシが異世界転移(以下略)ゲームブック版  作者: 加瀬優妃
第2章 アタシと、ローナ村
359/777

2-≪ 235 ≫

≪ 235 ≫


 槍を突きつけられ、腕を掴まれているアタシを見るなりフジサキが動いた。

 アタシの前に立ち、突き付けられた槍をガッと握る。

 慌てた騎士が振り払おうとして、暴れる。その拍子にアタシの腕を掴んでいた手が離れ、アタシは咄嗟にフジサキの後ろに隠れた。

 フジサキは槍をぐっと掴み、思い切り捻って突き飛ばした。

 唐突の攻撃に反応し切れなかった騎士は無様にその場に転がった。


「マスター、お怪我はございませんか?」

「う、うん。ありがとう、フジサキ」

「何者だッ! 貴様もスパイの一味か? 抵抗するなら、容赦せんぞ!」


 転ばされた騎士……区別が付かないから仮に騎士Aとしておこう――が立ち上がった。

 無事だったもう一人の騎士Bも警告を発しながらこちらににじり寄って来る。

 どちらも、素人にでも分かる殺気を放っている。

 ひぃい、ヤバイよ。火に油注いじゃったよ。ロイズさん家の庭に血の雨が降りそうだ。





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