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「マスター、お願いがございます」
「んー? 何?」
雑炊をふーふーしながら返事をする。
「この世界の言語の習得のため、ロイズ様の本をお借りしたいのですが」
「……へ?」
フジサキの言っている意味がわからず、アタシは間抜けな声を上げた。
「借りたら……いいんじゃないの? え? 何で、アタシに?」
「以前、本を読んで止められましたので、マスターの許可が必要かと」
え……いつの話だ?
二日酔いが残る頭で考えてみたけど、まったく何も出てこなかった。
「よろしいでしょうか」
「それは勿論。……そっか、言葉は日本語と同じだけど、文字が全然違うもんね」
「はい。ロイズ様の仕事の手伝いをする際にも必要かと思われます。これからの時間、マスターの傍にいない間はすべて言語習得に充てたいと考えております」
「意気込みはいいけどさ。寝ないと、倒れちゃうよ」
「私には生物に必要不可欠である『睡眠』というものを摂らずとも、生命活動には全く支障を来たしませんので、ご心配には及びません」
「……へえ……」
眠れないんじゃなく、眠らないんだ。
一体、どう言う構造になっているんだろう。また一つ、謎が増えた。
★チヒロは【 Key word 】の1つ、【 語 】を手に入れました。
※【 Key word 】がMAXの20個だった場合は、もっとも古い【 Key word 】を破棄し、【 語 】を入手して下さい。
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