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よし、フジサキを先頭にして出発だ!
「じゃあフジサキ、そこまで案内お願いできる?」
「もちろんでございます。さぁ、こちらです」
そう言ってフジサキは歩き出した。アタシもそれに付いて行く。
この分なら案外、すぐ『帰る方法』が見つかるかもしれない。
好調な滑り出しだ。
★チヒロの【 Mental 】は、【 1pt 増加 】しました。
★フジサキの【 Physical 】は、【 1pt 増加 】しました。
「それにしても……」
ニマニマしているとフジサキが突然振り返った。
何々、どうしたのよ?
「先ほどからこちらを覗っているあの巨大な生物は、何と言う種類の生物なのでしょうか?」
フジサキの呟きにアタシの思考が止まる。
え? 巨大な生物? 何それ?
フジサキの見つめる方向を振り返ってみる。
「ねぇ、フジサキ」
「はい、何でしょうか。マスター」
「あれ、いつからいたの?」
恐る恐るその生き物を指差す。
アタシ達の背後にいたそいつ。
テレビで見た搾乳されるホルスタインより遥かにデカい、大きく裂けた口にギザギザの牙をギッチリ生
やした二足歩行の見たこともない生き物。
頭上で時折ぴくぴくと動く長い耳、ふわふわでもふもふの白い体毛で、辛うじて「あ、ウサギ……かもしれない」と頭が誤認識する。
このまま、≪ 112 ≫ へ進んでください。




