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昼食時間に合わせて子供達を家に送り届ける。
一旦、村長宅に戻って荷車を引いて再び広場に向かう。
広場に向かう途中、家々から出来立ての昼ご飯を預かる。
どこの家の物なのかすぐに分かるように目印をつけてもらった弁当を荷車いっぱいに乗せて、向かうは麦畑だ。
畑は一番遠い所でも徒歩10分ほどだ。
畑で作業をする人々に、弁当を届ける。
今までは朝、畑に出かける時に弁当を持っていっていたけど、それではお昼になるまでにせっかくのお弁当も冷めてしまったり、水っぽくなってしまうからね。美味しいものを食べないと、午後の作業も捗らない。
そこで、アタシの考えた『巫女様デリバリー』……。
これは昨日、家々を説明しながら回った時もすごく反応が良くて、すでに20軒ぐらいの依頼があった。これからの一番の収入源になるんじゃないかな。
ちなみに、子守りは一家庭、ヒュムニア銅貨1枚。
弁当の配達サービスは、銅貨2枚である。
ヒュムニア銅貨とは、この大陸に流通している硬貨の一つで製造元であるヴァルベイン帝国が流通させている。
楕円型の硬貨で、ヴァルベイン帝国のシンボルである横倒しになった砂時計と機械の様なシンメトリーの翼が表に、裏にはイオ・ヒュムニアの全体図が刻印されている。
硬貨は金貨、銀貨、銅貨の3種類がある。
日本円に換算するなら、銅貨が10円、銀貨が1万円、金貨は10万円位の相場だろうとフジサキが言っていた。
今日の稼ぎは、合計銅貨52枚になるはず。520円といった所だね。
……そう思うと、日本の平均最低賃金が798円なんだよなぁと嫌でも比較してしまう。
うそ、アタシの日給……低すぎ?
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