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正午になった。
アタシは子供達を送り届け、荷車を引いて各家を回る。
「巫女様、お仕事ご苦労さまです。これ、ウチの旦那と息子にお願いします」
「どうも、マルタさん。2人分、確かにお預かりしました」
「ルーシー、すごく楽しかったって言ってました。今は遊び疲れてしまったみたいで……午後はお昼寝させますね」
「わかりました」
こんな会話をしながら各家のお弁当を預かる。どこの家のものなのかすぐに分かるように目印がついてるから、安心だ。
フジサキにも手伝ってもらって荷車を引き、畑を回る。
一番遠いところでも徒歩10分ほどだから、そんなに大変ではない。
「みなさーん! お疲れ様です! 昼食の時間ですよー!」
「巫女様、そんな仕事させちまって申し訳ないねー!」
「いえいえ、これがアタシの仕事ですから!」
畑で作業する人々に、アタシは大声で呼びかける。
今日は昨日より1軒、依頼が増えた。でも配達先が増える訳じゃないから、全然辛くない。
弁当を配達し終えると、村長宅に戻ってテレサさんが作ってくれた昼食を取る。忙しい合間の憩いの時間だ。
昼食を終えると、フジサキと共にまた子供達を集めて広場に行く。
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