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「ピスタさん!」
「おお、チヒロさん」
広場では、ピスタさんがソールさんと話しているところだった。
店を開けている訳ではないようだ。
「どうしたんですか? 昨日のうちに隣村に行くはずだったんじゃ……」
「ウェンデール王国より派遣された魔物討伐隊がローナ村に来るようです。村からの人の出入りをしばらく禁ずる、と言われまして……」
「えー?」
ロイズさん、そんなこと何も言ってなかった気がするけど……。
ロイズさんが出かけて行った後の話なのかな?
「しかし、そう長い時間ではないようなので、店を開くかどうかは迷っていましてね。ただ、出れるようになったらすぐに旅立ちたいと思います。隣村でも、私の商品を待って下さっているお客様がいらっしゃいますからね!」
そう言うと、ピスタさんは胸を張った。
他の町や王都の事、旅で遭遇した出来事を色々語ってくれたピスタさん達がいなくなるのは、ちょっと寂しい。
まぁ、名残惜しいとは言っても3ヶ月後にはまた商売しに来るのだから、まだアタシがこの村にいれば会うことは出来るだろう。
「チヒロさん、これからお仕事があるのでしょう? 私どものことはお気になさらず、さ、さ」
「あ、はい……」
アタシは会釈すると、二人の元を離れた。
1軒目の家に向かって歩き出そうとしたら、『あ!』っと何かを思い出した表情をしたフジサキがピスタさん達の方に行ってしまった。
何やってんだアイツ……全く、端末機が意志と体を持つと予想外の行動を取るから困る。
「フジサキ、何処行くの?」
フジサキはアタシの呼びかけをスルーして、ソールさんに何やら話しかけている。
最初、突然話しかけてきたフジサキに警戒していたソールさんだったが二、三言会話をした後、何故かフジサキと一緒にアタシの方を見てどこか納得したような表情で頷いていた。
なになに? 何の話してんの? アタシには話せないことなの?
ハッ!! まさか、アタシの悪口? いや、フジサキに限ってそんな事……ないよね?
信用してもいいのよね? 本当に悪口だったら、アタシ泣いちゃうよ?
★チヒロは【 Key word 】の1つ、【 王 】を手に入れました。
●○●CHOICE TIME!●○●
「仕方ない、1人で仕事に向かおう」
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「フジサキを連れ戻さないと」
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