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JKのアタシが異世界転移(以下略)ゲームブック版  作者: 加瀬優妃
第2章 アタシと、ローナ村
322/777

2-≪ 198 ≫

≪ 198 ≫


 アタシは「変な服」と言った小さな女の子の前にしゃがみ込むと、ニコッと笑いかけた。


「こんにちは」

「! ……こ……こんにちは……」


 少女がビクッとして母親の影に隠れる。

 でも、挨拶はちゃんとできる子なんだな。よしよし。


「お姉ちゃんの服、変かな?」

「…………」


 女の子はこくりと頷いた。

 ……おう、ビビりながらもいい度胸やないかい。


「これね、アタシの国では選ばれた人しか着れない服なんだよね~」

「……えっ……」


 女の子が驚いたように目を丸くしている。

 さっきまでの「変な服」が急に「流行りのモード服」にでも見えたかのようだった。


「お姉ちゃん、外国の人? 選ばれた人なの?」

「そうそう。だからね、これはアタシの国の、大事な服なの」

「……」

 

 女の子はちょっと考え込むと、こくりと頷いた。


「お姉ちゃん。その服、変じゃないよ。お姉ちゃんに似合ってるよ」

「……ありがとう」


 頭を撫でてあげると、女の子は嬉しそうに笑った。

 アタシが立ちあがると、お母さんが小さく「すみません」と言って頭を下げ、そのまま歩いて行った。

 うむうむ、何か良いことをした気分だ。


「……マスター」

「何よ」

「嘘は……」

「嘘は言ってないもんね~」

「ですが……」

「アタシの国、日本にしかないし、高校に受かった人間しか着られないんだから、嘘じゃないでしょ」

「……ですが、それは偽称になるのではないかと……」


 フジサキが困ったような顔をしていた。ロイズさんは「ほっほっほっ」と何だか楽しそうに笑っている。



★チヒロは【 Key word 】の1つ、【 偽 】を失いました。





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