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心が……グラグラ揺れた。
でもアタシには、この場で的確な答えを出すことが出来ない。
フジサキのように、冷静な対処が出来ない。
フランツ副隊長の言葉の真偽も、判断できない。
一人では何も出来ないのだと痛感した。フランツ副隊長との心理戦に完全敗北したのだ。
「アタシにかかった疑いはいつ晴れるんですか?」
苦し紛れに言えた言葉は、その疑問だけだった。
フランツ副隊長は相変わらず、冷静な口調で答えてくれた。
「ある人物に君を会わせて判断を仰ぐ。だた、とても多忙な人なんだ。いつ対面させられるかは僕にも分からない」
「そうですか……少し、考えさせてくれませんか? 出来れば、アタシと一緒に連れてこられたもう1人と相談したいんですけど……」
「……分かった。連れてくるから、少し待っていてくれ」
フランツ副隊長は一瞬、間を置いたもののフジサキとの面会を了承してくれた。
頭ごなしに「1人で考えろ」と言われると思っていたアタシは、騎士道精神は本当にあったんだと少しだけ感動した。
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