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「フジサキ、待って」
アタシは思わず呼び止めた。
くるりとフジサキが振り返る。
「もう少し、ここにいてよ」
「それは構いませんが、マスターはちゃんとお休みになれるのですか?」
「眠れそうもないからここにいてって言ってるんだけど」
「それはいけません。良質な睡眠をとるためには最初の90分が黄金時間と呼ばれており……」
「あ、いい、いい。……わかった」
そう言えば前に、睡眠アプリを入れたんだっけな。
それでやたらウルサいのかも……。
「フジサキ、ごめんね。ちゃんと寝るから」
「はい、お休みなさいませ。マスター」
ドアが静かに閉まった。
フジサキの足音が遠ざかって行く。
その音を聞きながら、アタシは再び横になった。
どうにか、眠れそうだ……。
再び、あの悪夢を見ることもなく。
~ 4th Scene End ~
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