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「そうですね、では機織りなどどうでしょう?」
項垂れるアタシに、ロイズさんがにっこりと微笑んだ。
「機織り?」
「村の女性たちの仕事ですがね。細い糸を縒って丈夫に使える物にしたり、またそうしてできた糸で布を織ったりしているのです」
「へぇ……」
土いじりは無理だけど、それならイケるかも。
家庭科も、ボタンつけぐらいならちゃんとできるし。
まぁ、手先はそんなに器用な方じゃないけど……。
「……」
「うーむ、チヒロさん、これは……」
目の前には、大量の糸と穴だらけの布が積み上げられていた。
アタシはその前でしょんぼりとうなだれるしかなかった。
糸を縒るのなんて簡単、と思っていたけど全然ダメだった。
力加減が下手なのか、太さが所々違う糸ができてしまう。これでは強度を保てないし、これで布を織ってもボコボコした手触りの布になってしまう。
……つまり、到底使い物にならない。そんな糸を大量生産してしまった。
では機織りをやってみよう……となったが、機織り機の動きは複雑すぎて、全然覚えられない。
糸が飛んだり絡まったりして、結局薄さがバラバラの穴だらけの布になってしまった。
見かねたフジサキが入ってきて、ちょちょっと説明を聞いただけで「とんてんからり、とんてんからり」と軽やかな音を立てている。
何をインストールしてるんだ、フジサキ……。少しは主人に気を遣え。
いいお嫁さんになれるわね、じゃないっての。
そう心で毒づいてみたものの、アタシが役立たずなのは一目瞭然。
おとなしく、機織り仕事も諦めるしかなかった。
★チヒロは【 Key word 】の1つ、【 討 】を失いました。
★チヒロは【 Key word 】の1つ、【 織 】を手に入れました。
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