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「それで、お願いします」
「わかりました。どうぞよろしくお願いいたします、チヒロさん」
「いえ、あの、そんな……」
ロイズさんが深く頭を下げるので、アタシは思わず慌ててしまった。
村で一番偉い人である村長さんに頭を下げられるなんて、何だか落ち着かない。
「いえいえ、何度でも感謝させて下さい。あなた方は命の恩人なのですから、これでも足りないぐらいなのですよ」
アタシの行動を見て、ロイズさんは愉快そうに笑った。
『命の恩人』……水の枯渇で、このローナ村はそんなにも窮地に立たされていたのか。
蛇口を捻ればいつでも水が出てくる生活を送っていたアタシには、それがいまいち想像できなかった。
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