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≪ 137 ≫
「あぁッ! 私は何て不幸な王女なの。このままでは隣の国の王子と《せいりゃくけっこん》をさせられてしまう。誰か、私をこの王宮から連れ去って!」
「王女」
「貴方は! 召使のフジサキ!」
「今宵、私は貴方様を攫いに参りました。私と貴方様は王女と一介の召使……しかし、この燃え上がる炎のような愛だけは本物なのです。私達を引き裂く事は誰にもできません」
「あぁ、フジサキ! 私を連れて逃げて! あなたがいれば、私はもう淋しくはない。どうか、二人だけの世界に連れて行って!」
「御意」
今日はアンが王女様役になった様だ。
フジサキが頬を赤く染めたアンをお姫様抱っこして立ち上がると、衛兵役にされてかったるそうにしている男の子達から走って逃げている。
それにしても内容がシュールだ。この世界でもリアルおままごとが流行っているようだ。
女の子達の演技も凄いが、それに合わせて召使役を熱演するフジサキも凄い。
★チヒロは【 Key word 】の1つ、【 淋 】を失いました。
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