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「ロイズさん。この村では、読み書きとか……いわゆる子供たちの教育ってどうなってるんですか?」
夕食時。アタシは思い切ってロイズさんに聞いてみた。
何でかというと……今日の子守りでは、子供達はみんな自由に遊びっ放し。
だけど絵本なんかはあるみたいで、小さな女の子が読んでくれって持って来たんだよね。
だけどアタシは、こっちの世界の文字は読めないから断るしかなくてさあ……。
そしたらガキ大将の男の子に「え~巫女様、大人なのに字も読めねーの?」って馬鹿にされた。
アタシを散々おちょくっていたが、タイミング良く迎えに来た母親に「巫女様に失礼なこと言って! あやまんな!」と拳骨を貰っていた。
ざまぁねーぜ。
……とは言うものの、あのガキ大将は読める訳で……。
「家で教えるだけですね。ですから、読み書きができないまま大人になった者もいます。ウェンデール王国から届いた文書での報せは、村長であるワシが村人に伝えていますね」
「ふうん……」
フジサキはロイズさんのそういう仕事を手伝ってるのかな。
だったら……。
「フジサキ、寺子屋わかる?」
「江戸時代の上方において、寺院で手習師匠が町人の子弟に読み書き・計算等を教えた学問施設ですね」
「そう、それ。午後の時間はソレできないかな? アタシも習えるし」
「できますが」
「何と!」
ロイズさんが驚いたように手にしていたフォークを取り落とした。
「村の子供達に読み書きを?」
「駄目ですかね?」
「いや、大いに結構ですよ。これは楽しみですな! 本当にありがとうございます」
ロイズさんはお礼を言うと、はっはっはっと大きな声で笑った。隣のテレサさんも、にっこりと微笑んでいる。
思い付きだけど……『巫女様』としては、村のためになりそうなことをやらないとね。
……って、やるのはフジサキなんだけど。
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