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JKのアタシが異世界転移(以下略)ゲームブック版  作者: 加瀬優妃
第2章 アタシと、ローナ村
246/777

2-≪ 122 ≫

≪ 122 ≫


「マスター、意見を言ってもよろしいでしょうか」


 昼食後、ロイズさんの家の庭で少し休んでいると、フジサキがそう言って近寄って来た。


「何?」

「既存の仕事の手伝いより、新しい仕事を見つけた方が良いように思うのですが」

「え?」


 新しい仕事……。

 そうか、元の世界だと、いろいろな仕事があるよね。

 ペットの散歩代行とか、逆上がりを教える先生とか、「それ需要あるの?」みたいなのが意外に収入になってるっていうし。


「フジサキ、検索」

「いかがいたしましょう?」

「えーと……」


 とりあえず見聞きしたことを並べてみるか。


「農作業は全部手作業だった。虫も大変。森では狩りをするみたい。魔物が出ることもあり、討伐隊がいる。子供が危なかったこともあった。あとは……お弁当は固い。温かいご飯がいいな……」

「……『農業労働者の高齢化が深刻』。『もやしの値上げに消費者も支持』。『危害を与える外来種のアリが日本上陸』」


 フジサキがアタシの言葉で検索をかけた結果を並べていく。

 ……ニュースの見出しか何かかな。


「『魔女狩りで3000人以上殺害』。『イチゴ狩りが大人気』。『虐待や育児放棄が問題に』」


 ……それは全く関係ないよね……。

 しもしも? 何か不穏なヤツが混じっちゃってるけど?


「『待機児童の問題で保育園不足が明るみに』。『弁当屋に足しげく通ったせいで離婚危機』。『どこでも温かいご飯を届けてくれる、便利なデリバリーが話題』」


 ん……ん?

 何か、ヘンなのがあったけど……今、何かイイコト言わなかった?


「『温かい教育現場』……」

「フジサキ、ストーップ!」


 アタシが大声を出すと、フジサキが不思議そうな顔をした。


「何でしょう?」

「待機児童のうんちゃらって?」

「保育園に子供を預けられなかった主婦がSNSで毒づいて話題になった件です」

「なーるほど。あと温かいご飯って?」

「アプリで好きな飲食店を選び注文すると、家でなくても公園でも道端でも弁当を届けてくれるシステムが話題になったというニュースですね。届くまでの様子もわかるということで、芸能人の方が……」

「そ、そ、それだー!」


 アタシはフジサキを指差すと、思わず大声を上げた。

 村人にはきっと、思いつかない。でも、確かにあると超便利! ……な、ハズ!

 閃いた! アタシができるバイト!!



★チヒロは【 Key word 】の1つ、【 温 】を失いました。

★チヒロは【 Key word 】の1つ、【 役 】を手に入れました。





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