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≪ 117 ≫
一睡もできないまま、朝がやってきた。
朝靄が立ち込め視界が不鮮明な討伐隊の陣中、テントの前にアタシは立っていた。
10分程前に見張りの人から「フランツ副隊長がお呼びだ」と声をかけられた。睡眠不足でだるい身体に鞭を打って起き上がり、一晩中起きていたフジサキと共にテントの外に出た。
「やぁ、おはようチヒロ。良く眠れたかい?」
「この顔が良く眠れた人の顔に見えます?」
靄の向こうからフランツ副隊長が姿を現した。相変わらず、良い笑顔である。
早朝から飛びっきりのスマイル0円、ご馳走様です。
この人の辞書に『寝不足』とか『低血圧』という言葉は存在しないみたい。
「時間がないから、説明は歩きながらでもいいかい?」
「はい」
手招きされたので、アタシは歩き出したフランツ副隊長の隣に歩み寄った。
するとフランツ副隊長は言い忘れてた、という感じで立ち止まり、アタシの後に付いてきていたフジサキに振り返った。
「悪いんだけど、僕の馬は2人までしか乗れない。君はここで待機していてくれるかい?」
おい、なんだその「悪いな、の●太! この車、4人乗りなんだ」の隙あらば自慢話でお馴染みのス●夫みたいな台詞は……。
●○●CHOICE TIME!●○●
「フジサキがいないのは、ちょっと……」
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「仕方がない、言う通りにしよう」
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