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午後になり、アタシとフジサキはまたもや子供達を迎えに行く。
広場では、昨日と同じように女の子達の「お姫様ごっこ」、男の子達の「騎士ごっこ」が繰り広げられている。
「みこさまー、今日もご本、だめー?」
昨日も絵本を持ってきたメアリが、少し悲しい顔をした。
「うーん、ごめんね。でも巫女様、今日の夜から頑張るからね」
「がんばる?」
「そしたら、絶対に読んであげるからね」
「うん!」
女の子が嬉しそうに笑った。
通りかかった例のガキ大将が「今から頑張るのかよー」と生意気な口を利いたので、ちょっとムカついてしまった。
……それにしても。
「……キミはどうやって勉強したの?」
「えー? かーちゃんが教えてくれたー」
そう言うと、ガキ大将は地面にナゾの文字を書いた。
「これ、オレの名前! リクって書いてあるんだぜ!」
と得意そうにしている。
読めるかい!と思いながらも、もう少し聞いてみることにした。
「みんなそうなんだ」
「そうだよ。だからメアリは、とーちゃんとかーちゃんに教えてもらえてなくて読めないんだ」
そう言うと、リクはメアリに「オレが読んでやるよ」と言ってその場に座った。メアリもちょこんと隣に座る。
おお、なかなか面倒見がいいではないか。そうだよね、ガキ大将って本来そういう感じだよね。
リクはいい男になるぞ。巫女様が保証してあげよう。
でも……そっか。
文字の読み書き……。家によってできたりできなかったりするんじゃなくて、皆ができるようになった方がいいよね。
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