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「ちなみにアタシが本当にスパイだった場合、アタシ達はどうなるんですか?」
「王都で正式な裁判を受けた後、ティルバ連合への牽制と見せしめとして公開処刑にされるのは確実だね」
「……そうですか」
処刑……絞首か斬首かは分からないが、容疑を認めれば確実に殺されるということだ。
嫌だ、こんな世界で死にたくない。元の世界に帰りたい。
両親にもう一度会いたい。平凡だった日常生活に戻りたい。
そうだ、友人達にだって……。アタシは別に、彼女達が嫌いな訳じゃなかった。
でも、スパイではないことを証明する確固たる証拠がアタシには無い。
悔しくて、俯いたままギリッと歯軋りした。
目尻に涙が滲むが、負けを認めているような気がして絶対に流してやるものかと耐える。
「一つ、質問しても良いかい?」
「何ですか?」
「君は僕の名、ブレイズ家の家名を聞いてどう思った?」
「へ?」
「僕の名前……フランツ・コルデア・ブレイズ。――この名前」
「……どうって……」
「うん?」
●○●CHOICE TIME!●○●
「素敵な名前ですね」
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「長い名前ですね」
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