2-≪ 82 ≫
≪ 82 ≫
「こんにちは、村長に御用なら今は留守ですよー」
アタシの声に甲冑トリオが一斉に振り返る。
うぉ、まぶしッ!
3人の内、二人はフルフェイスのかぶとを被って槍を持っている。
人様の家を訪問するのに物騒な連中だ。その2人に挟まれた人物だけが兜を脱いでいた。
顎鬚を生やした厳つい、いかにも『俺は戦場で何人も敵兵をやったぜ』って感じのおじさんだ。
眼光が鋭すぎて、一般人のアタシには刺激が強過ぎる。足が産まれたての小鹿みたいに震えそうになった。
「昼食の時間に申し訳ない。君はこの家の住人か?」
「えぇ、まぁ。住人というか、居候ですけど」
「申し遅れた。私はウェンデール王国より派遣された魔物特別討伐隊、隊長のエリック・レトリバーだ」
キビキビとした口調で、そう自己紹介すると騎士特有の右腕を胸につく挨拶をしてくれたレトリバー隊長とその部下の人達。
犬の品種みたいな名前ですね。ボールを投げたら喜んで取って来そうだ。
あ、いやいや。そうじゃなかった。
「討伐隊の隊長さんが何の御用でしょうか?」
「ここに『終末の巫女』と名乗る人物がいると聞いてきたのだが、在宅しているか?」
「え? それ、アタシのことですけど……少なくともこの村の人達にはそう呼ばれてます」
どうやらアタシに用があるみたいだ。『終末の巫女』って結構、知れ渡っているんだろうか?
照れるね。アタシ、今話題の有名人になっちゃった。
レトリバー隊長とは面識が全く無いけど、どんな用なんだろう? まさか、討伐隊にも『巫女様デリバリー』をして欲しいとかいう依頼だったりして……。
「そうか、お前が『終末の巫女』か。ならば、話は早い。貴様をティルバ連合のスパイ容疑で連行する!」
「は?」
何だ。『巫女様デリバリー』の依頼じゃないのか……ん? 今この人、何て言った?
ティルバ連合のスパイ?
●○●CHOICE TIME!●○●
【 Key word 】に【 共 】はありますか?
ある …… ≪ 33 ≫ へ進んでください。
ない …… ≪ 145 ≫ へ進んでください。




