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JKのアタシが異世界転移(以下略)ゲームブック版  作者: 加瀬優妃
第2章 アタシと、ローナ村
203/777

2-≪ 79 ≫

≪ 79 ≫


 アタシは「変な服」と言った小さな女の子の前にしゃがみ込むと、ニコッと笑いかけた。


「こんにちは」

「! ……こ……こんにちは……」


 少女がビクッとして母親の影に隠れる。

 でも、挨拶はちゃんとできる子なんだな。よしよし。


「お姉ちゃんの服、変かな?」

「…………」


 女の子はこくりと頷いた。

 ……おう、ビビりながらもいい度胸やないかい。


「でもね、これ……すごく気に入ってるんだよね~」

「……えっ……」


 女の子が驚いたように目を丸くしている。

 悪いこと言ったのかな、と思ったのが、すぐにわかった。


「ほら、お姉ちゃんに謝りなさい」


 手を引いていたお母さんが女の子を促す。

 女の子はちょっと頷くと、じっとアタシを見上げた。


「お姉ちゃん、指差してごめんなさい」

「お、良い子だね。……気にしてないよ」


 頭を撫でてあげると、女の子は嬉しそうに笑った。

 アタシが立ちあがると、お母さんが小さく「すみません」と言って頭を下げ、そのまま歩いて行った。

 うむうむ、何か良いことをした気分だ。


「……マスター」

「何よ」

「そんなに傷ついていたのですか」

「……ちょっとね」

「さようでございますか」


 フジサキが何かを納得したように頷いた。ロイズさんは「ほっほっほっ」と何だか楽しそうに笑っている。





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