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制服を脱ぐと、テレサさんが布を渡してくれた。
お日さまの匂いがする、ふかふかした布だった。アタシの世界のタオルのようなものかもしれない。
「はい、どうぞ」
身体を拭いていると、テレサさんが折りたたんだ服を差し出してくれた。
広げてみると、ちょっとアタシのサイズより大きい。
「娘のものなんだけれど……大きいかしら」
「いえ、大丈夫です。ゆったり着れるので、ちょうどいいです」
アタシは咄嗟に、嘘をついた。
「娘のもの」と言った時のテレサさんの表情が、どこか寂しげだったから。
「……ありがとうございます。お借りします」
ぺこりと頭を下げると、テレサさんはにっこりと微笑んだ。
★チヒロは【 Key word 】の1つ、【 嘘 】を失いました。
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