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「あ、アタシ、スパイなんかじゃありませんってば! だいたい、ティルバ連合になんて行った事もないです!」
「チヒロさんがスパイ? 何かの間違いではないですか? チヒロさんは、誓って悪いことをするような子ではありませんわ。むしろ、良い子過ぎて心配になるくらいなのですから」
動揺するテレサさんが、事の成り行きを無言で見つめるレトリバー隊長を説得しようとしている。
何でもいいけど、あんたの部下を何とかしろよ! 槍で突き刺すのも辞さないみたいな勢いで迫って来るんですけど!
「やめろお前達! 少しは冷静になれ。匿名の通報が我々討伐隊に入ったのだ。「ローナ村に『終末の巫女』と呼ばれる怪しげな女がやって来て、村人を意のままに操っている。ティルバ連合のスパイではないか」とな」
「え?」
アタシはショックを受けた。
匿名の通報だって? つまり、村の誰かが討伐隊にアタシのことを『へへへ、騎士様。あの女、ティルバ連合のスパイですぜ』と根も葉もない嘘っぱちをでっちあげて、チクッたということだ。
信じられない……村の皆と仲良くなれたと思っていたのに。裏切られた気分だ。
視界の端でテレサさんが口元を両手で抑えて、目を見開いたのが見えた。
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