181/777
2-≪ 57 ≫
≪ 57 ≫
「フジサキ、何で立ってるの?」
「マスターの許可が出ない限り勝手に座ることはできません」
「……」
頭が痛い。
アタシはつかつかとフジサキに歩み寄ると、グイッと腕を引っ張った。
「あんたね、臨機応変という言葉を覚えた方がいいよ」
「勿論存じ上げております。臨機応変とは……」
「いいから座る!」
アタシはフジサキを椅子のところまで引っ張ってくると、強引に座らせた。
まったく、アタシが来て、何か言うまでずっと立ってるつもりだったのか……。
持ち主に忠実なのはいいが、もうちょっと柔軟になろうね。ロイズさん、困った顔してたでしょうが。
このまま、≪ 13 ≫ へ進んでください。




