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「ドラグーン・パレスは6つの地域に分かれているのだとか。大陸の外周には5つの地域があり、それぞれ木龍王・火龍王・水龍王・土龍王・金龍王が各部族を支配しています。そして大陸中央には全ての龍の王、神龍王が居られ、中央大陸を統治なされているのですッ! 一度で良いから神龍王様にお会いするのが、私の夢でもあるのですッ!!」
そのために小人族の村を飛び出したようなものです、と興奮したピスタさんがピョンと立ち上がって力説してくれた。
立ったままそれを聞いていたソールさんも黙ってそれに頷いている。
2人の意気込みにアタシとフジサキは圧倒されてしまって、お互いにポカンとした顔で固まっていた。
ドラゴンって凄いんだな。
この世界では皆の憧れのヒーローとかハリウッドスター的存在なのだろう。
別世界の住人であるアタシにはいまいちパッとしないけど……。
そうだ、そもそもは「ヴァルベイン帝国に入るには」っていう話だったっけ。
ピスタさんは、ドラゴンと契約がどうとか言ってたような……。
「ドラゴンと契約ってどうやってするんですか?」
「それは……分かりません。何せドラゴンと契約した人間は、過去1人しかいないそうでして。ざっと3000年以上前の話なので、何処の誰がどうやって契約したのかは詳しい文献が残っていないのです」
現実に引き戻されたピスタさんは残念そうな口調でそう言った。
過去1人しか契約できた者がいないとか、もうこの先契約できる人なんていないんじゃないだろうか?
……ということは、3000年以上前から帝国もあったということか……いろんな意味で破格の国だ。
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