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≪ 12 ≫
「え、フジサキがいないのは、ちょっと……」
思わずそう言うと、フランツ副隊長が顔をしかめた。
「彼も……となると、時間が足りない。便宜がはかれなくなる」
「え……」
「マスター、大丈夫です」
フジサキがぽんとアタシの肩に手を置いた。
「フランツ副隊長殿にお任せします。フランツ副隊長殿、よろしくお願い致します」
フジサキはそう言うと、いつもの恭しい態度で頭を垂れた。
……ってことは、フジサキ的にはアタシとフランツが二人きりで出かけても危険はない、と判断しているのかな。
……そっか。アタシが、弱気過ぎたのかな。
「任せてくれ」
「マスター、行ってらっしゃいませ」
そう言って見送るフジサキを残し、フランツ隊長は再び歩き始めた。
アタシは置いて行かれないようについて行った。
漫画とか小説でよくあるけど、足のリーチが違うと追いつくのが大変なヤツ……まさにそれだわ。
フランツ副隊長、足長過ぎッ! アタシさっきからずっと小走り状態だわ。
何か説明されてるけど、寝不足も相まって頭に全然入ってこない。
今は急いでるし、乗せていってもらえるみたいだから文句は言えないけど……。
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