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2-≪ 10 ≫
≪ 10 ≫
夢を見た。
深い霧の中に、アタシは一人で立っていた。
ふと誰かの声がした。誰だろう?
キョロキョロと辺りを見回すが、姿は見えない。
どこかで聞いたことがある気がするが、思い出せない。
途切れ途切れで、内容がハッキリしない。
何? 何を言ってるの? アナタは誰?
すると急に声がハッキリと聞こえた。
相変わらず姿は見えなかったが、中性的な声でこう言った。
『早くおいで。ずっと、君を待っていたんだよ』
その言葉を聞いた途端、アタシは息が詰まった。
苦しくて、喘息であえぐようにゼェゼェと息をした。
襲ってくる不安と恐怖、それに耐え切れなくなってアタシは叫んだ。
――誰か、助けて!
★チヒロは【 Key word 】の1つ、【 夢 】を手に入れました。
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