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「あ……ちょっとお待ちくださいね」
ロイズさんがよくても、アタシが認めん。
ロイズさんの話の腰を居たたまれない気持ちでいったん折ると、アタシは席を立つ。
そのまま一直線に向かうは、一心不乱に本を読み耽っているフジサキのもと。
「おいコラ、フジサキ! 本読んでないで、お前もちゃんと話聞けやッ!」
そう言って、フジサキから本を奪い取る。
フジサキの身長が高いせいで下からアッパーをする様な形になった。
これは、完全にかの有名な昇竜拳の動き。コマンドは『→↓↘(前・下・斜め前)+パンチ』だ。
「やはり、聞かねばなりませんか?」
「当たり前でしょ! アタシは、そんな失礼な子に育てた覚えはないよ!」
「はて? 私、マスターに育てていただいた覚えなど、これっぽっちもございませんが?」
「涼しい顔して、煽ってくんのやめてくれない? おおん?」
「ほほほ、お二人は仲がよろしいのですね」
そんなアタシ達を見て、ロイズさんが笑った。
「そうでもないですよ。ほら、フジサキお座り!」
「マスター、私は犬ではございません」
「だまらっしゃい! この本はロイズさんのお話が終わるまで没収!」
「ほほほ」
こうして、ロイズさんの異世界講座は最後の話に突入したのだった。
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