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ひょっとして……誰かが助けてくれた?
そんなことを考えていると、ふと風の音が変わった気がした。
何か鋭いものがひゅうっという……切り裂くような……。
「何か……来る?」
1匹のうさぎに数本の矢が刺さっていた。
傷口からは血が流れ、苦しそうに息をしている。
他のうさぎ達は動揺したように各々唸り声を上げ、矢が飛んできた方を見ている。
立て続けに矢が飛んでくる。
それを間一髪のところで避けながら、うさぎ達は戦闘体制に入った。
怪我をした1匹とボス以外の個体が矢が飛んできた方向に向かって走り出す。
フジサキと共にうさぎ達が向かっていく方向を見る。
目を見張った。
日光を反射させ、光り輝く白銀の甲冑。
手には両刃の剣または槍を持ち、馬に跨る騎士。
その周りには弓を構えた軽装の歩兵達。風で翻る徽章が描かれた青い旗。
中世の騎士団の様な一団がこちらに向かって来る。
いや、正確に言うなら化け物兎達に向かっている。
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