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「う……うーん。iPh●ne、ア●プル、りんご……林檎。品種? ふじ………はッ!」
その時、アタシの平々凡々な脳に一筋の電撃が走った。
来た! これならイケるんじゃね?
これが駄目ならもう知らんわ。適当に『I次郎さん』とかにしてやる。
「お決まりになりましたか?」
「フジサキ……でどうよ?」
ただの「フジ」だと、私の見ていた人気ゲーム実況の実況者と被って、何となく嫌だ。
かと言って、「フジ」からの連想で「フジヤマ」なんて命名にしたら、完全に日本一の山だし、こいつをそんな崇高なイメージと共に毎回呼びたくない。
圧倒的ネーミングセンス不測のアタシが捻りだせる「フジ」の後に来る1文字は、悲しいかな、何となく語呂と語感が良かった「サキ」だけだった。
「……」
おーい、また沈黙かい。
早く何か言って欲しいんですけど。
もうこの際、思いっきりけなしてくれて構わないからさ。
「多少時間がかかりましたが、それなりのネーミングセンスでございますね、マスター。ただ今、承認いたしました。私、iPh●ne 4s改めフジサキと申します。今後とも宜しくお願いいたします」
そう言って、フジサキは深々と頭を下げたのだった。
やったね、気に入ってくれたみたいだ。
★『イケメンさん』が『フジサキ』になりました。
フジサキの【 Physical 】は、【 1pt 増加 】しました。
一瞬、白のタンクトップを来た二人組のお笑い芸人がライライ言いながら足踏みしてる光景が脳裏をよぎったが、そっとしておこう。
それにしてもあのコンビ、いつの間にか消えてたよなぁ。個人的には結構好きだったんだけどな……。
※加瀬優妃・注
チヒロさん、その人達、消えてませんよ~。
関西で本格的に漫才されてるみたいです。賞も色々とられたようですし。
覚えといてあげて~。
~ 6th Scene End ~
★現在のチヒロの【 Mental 】を記録しておいてください。
★現在のフジサキの【 Physical 】を記録しておいてください。
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