表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/52

45話 梅雨限定メニュー


 六月後半に突入しても変わらず続く梅雨。今日も目覚めて最初に聞いたのは、雨の音だった。

 いつもなら湿気で髪が広がってしまう事に朝からストレスを感じてしまうところだが、今日の私は違う。

 なんと言っても『それ』を一週間前からずっと楽しみにしてたからね!


 私の学校の食堂には季節限定メニューという物が存在していて、今現在は六月中旬から七月中旬までの一ヶ月限定で登場する『それ』の時期だ。


━━━━━━━━━━━━━━━


 『梅雨バテ解消・特製冷麺』

 梅雨という単語に含まれている梅が乗った、特製の盛岡冷麺である。

 冷麺と言ってはいるが胃腸を冷やさないために殆ど常温で提供しているみたいだ。さすが学校の食堂、健康に気を使ってくれていてありがたい。

 さっぱりしていて食べやすく、また、発汗を促す生姜やシソ、ねぎもたっぷり添えられている。加えて利尿作用のあるコーン茶もセットで付いてくるので、梅雨バテ解消に繋がる、そんな最強メニューなのだ。

 ちなみにお値段は驚きの五百円、学食名物の彩り野菜カレーと同じでワンコインだ。お店だと千円くらいはしそうなのに凄い!


 これは『良い学習は良い環境から』という信念に基づいての値段設定らしい。

 確かにこういう季節限定メニューがワンコインで食べられたらモチベーション爆上がりする。それに、お財布の負担も少ないからバイトしないで、空いた時間に勉強、結果として成績がアップしたって話も聞くし……な、なんて完璧な戦略なんだ。


━━━━━━━━━━━━━━━


 食堂で私を待つ冷麺さんに想いを馳せること半日。

 ようやく四限の授業が終わったので、竜胆さん達に声をかけて一緒に食堂へと向かう。


「奈緒ちゃん眠そうだね」


「うん〜、梅雨だから怠めかも〜」


 そんな梅雨バテ中だった奈緒ちゃんも、特製冷麺を食べればほら、この通り!


「美味しい〜!」


「なおちん、生姜とシソあげるー!」


「わぁ〜、ありがと〜」


 もうにっこにこです。……まぁ食事時に奈緒ちゃんが満面の笑みを浮かべているのはいつもの事なんですけどね!


「さっぱりしてて美味しいわね」


「ね! 美味しいー! それに、梅とか生姜とか色々と入ってるおかげで味変できて飽きないしね!」


「そうね、トッピングが多いのは嬉しいわ」


 そうやって竜胆さんと絶賛しながら食べ進める。

 ちゅるちゅるちゅる……うん、最高だ。


 私的には特に梅がやばい。冷麺に合い過ぎている。真っ赤な色が凄く映てるし、酸っぱい味は食欲を増進させるし……なんだこれ、最強か?


 そういえばなんで梅雨って『梅』の『雨』って書くんだろう。


「竜胆さんは梅雨の語源って知ってる?」


「……知ってるわ。梅が熟す頃の雨季だから梅雨、と言うのよ」


 少しの間の後にそう答える竜胆さん。しかし、その手に持つスマホには「梅雨 由来」の検索ページが表示されていた。


「ねぇ! カンニングしてるじゃん!」


 そう私が突っ込むと、竜胆さんは小悪魔的に笑った。


 可愛いなぁ、もう! 梅雨の怠さなんて今の一瞬で吹き飛んだよ……!

良かったら、下の☆☆☆☆☆から評価お願いします。

また、ブックマーク等も頂けたら嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 学食で盛岡冷麺が食べられるなんて羨ましいです。竜胆さんが密かに“梅雨 由来”検索なんて可愛い過ぎます(♡*♡) [一言] 更新ありがとうございます。✨✨
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ