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16:王都周辺の森

「ハアハア。くそ!! 負けねえぞ!!」


「アル!! 速度が落ちているぞ! しっかり嬢ちゃんについて行け!」



 現在私は、クマさんに師事し、特訓するアルフォンスくんとともに、王都周辺の森に来ている。

 アルフォンスくんは、そんな師匠なクマさんを背負いながら走る。さながらどこかの闇の何ちゃらと戦う宇宙の騎士のようだ。



「嬢ちゃん! ここから真っすぐ! ビッグオストリッチが一体!」



 クマさんの魔力感知が働き、この先にビッグオストリッチの存在を確認する。


 そしてしばらく進み、一体のビッグオストリッチと遭遇する。


 

「嬢ちゃん! しばらく倒さず引き付けろ!」


「あいよ」



 おそらくクマさんは、アルフォンスくんに生きたビッグオストリッチを見せたいのだろう。


 それによって魔物の脅威を、肌で感じることを経験させたいのだ。

 私はビッグオストリッチに接近する。



「でかい!! あれがビッグオストリッチ!!」



 アルフォンスくんのビッグオストリッチに対する第一印象がそれだった。



 ザシュ!!



 ビッグオストリッチが接近する私に向けて、風の刃を放つ。


 

 パス!!



 ビッグオストリッチの風の刃は、私が手の平で防ぐと霧散する。



「何だあれ!? 手の平で風の刃を!!」



 私のその技に、アルフォンスくんは驚愕する。



「嬢ちゃんでなく、ビッグオストリッチを見ろ!!」


 

 私が行ったのは、手の平に、硬くなる身体強化をかけて、風の刃を防いだだけだ。


 この技は、魔力が低いと出来ないので、まだ魔力の低いアルフォンスくんには驚きだったのかもしれない。

 クマさんの注意で、アルフォンスくんの目は、ビッグオストリッチに向かう。



 クケェェ!!



 ビッグオストリッチが視線に反応してアルフォンスくんを威嚇する。



「ひ・・む!! 負けねえ!!」



 そんな威嚇に何とか耐えたアルフォンスくん。



「嬢ちゃんいいぞ!! やれ!!」



 パン! パン! パン!



 すでに土銃を装填済みだった私は、土銃をビッグオストリッチの頭に向けて発砲する。

 何発目かが額に命中して、ビッグオストリッチは絶命して倒れる。



「瞬殺かよ・・・」



 そんな様子にまたもや驚愕するアルフォンスくんだった。



「こいつは(はぐ)れだ。どっかに群れがいるぞ」



 ビッグオストリッチは数体の群れをつくることが多い。

 つまり近くにビッグオストリッチの群れがいる可能性が高い。



「こっちだ! ビッグオストリッチが4体!!」



 クマさんが指さす方向に向かう。



「大猟ですね。アルフォンス様は運が良い」


「ハアハア。そうか? ていうかその様ってのそろそろ止めようぜ?」



 ふぁ? アルフォンスくんは私の様よびが今まで気に入らなかったのか?



「じゃあアルフォンス坊ちゃ・・・」


「坊ちゃまも駄目だ!」



 私の坊ちゃま呼びに反応するアルフォンスくん。



「二人とも集中しろ!! そろそろ遭遇するぞ!!」


「はい!!」


「あいよ」



 気の抜けた私の返事が森に消える。そして一体のビッグオストリッチが姿を現す。


 

「奇襲だ!! 3方向から来るぞ!!」



 どうやら目の前のビッグオストリッチは囮で、更に三体が奇襲を仕掛けてきたようだ。



「アル!! 前方の一体引き付けろ!! ただし攻撃はするな、防御に徹しろ!!」


「はい!」



 なるほど、アルフォンスくんは風の魔法を魔力視とかで見ることが出来るし、剣で防ぐことも出来る。そこで今回はビッグオストリッチと相対させてみるつもりか。



「剣だ受け取れアル!!」


「はい!」



 ジャンプしてアルフォンスくんの背中から離脱するクマさんが、同時に収納魔法で鉄の剣を出して、地面に向けて投げつける。


 クマさんが投げた鉄の剣は、そのまま地面に突き刺さった。


 アルフォンスくんは地面に刺さった鉄の剣を抜くと、正面で囮になっているビッグオストリッチと相対する。


 私は土魔法で土剣を発動する。



 ドパッ!!



 そして上空から飛来したビッグオストリッチを、難なく土剣で打ち払った。

 無防備な空中で土剣を受けたビッグオストリッチは、首が折れて飛んでいく。

 まずは一体目・・・。



 ド~ン!!



 そのまま左から迫ってくるビッグオストリッチの足元に土剣を叩きつける。



 パン! パン! パン!



 怯んで停止したビッグオストリッチに向けて、土銃を3連発で発砲する。

 土銃がどこかに命中したビッグオストリッチが倒れる。

 これで二体目!


 同時に、左側から迫っていたビッグオストリッチの首が飛ぶ。


 クマさんのウォーターカッターだ。

 三体目はクマさんが仕留めた!



 そしてアルフォンスくんに目を向けると、息を切らしながらビッグオストリッチと対峙していた。


 どやら接近戦にもちこまれて、ビッグオストリッチの蹴りを何とか躱しているようだ。


 

 クケェェェ!!



 威嚇と同時にアルフォンスくんに迫るビッグオストリッチ。何とかしのごうと剣を構えるアルフォンスくん。



 ザバッ!!



 その時クマさんのウォーターカッターが、最後のビッグオストリッチの首を刎ねたのだった。

 初めての魔物との遭遇。その緊張の糸が切れたアルフォンスくんは、その場にへたり込んだ。



「血抜きが終わったらいったん森の外に出るぞ」


 

 その後血抜き中にビッグオストリッチの卵を捜索。2個のビッグオストリッチの卵を採取できた。

 しばらくして血抜きが終わると、私は4体のビッグオストリッチと、その卵を2個、収納魔法で収納した。

 そしてクマさんと私は土雲で、アルフォンスくんは走って森から抜ける。



 森を抜けると、薬草採取の子供たちは、相変わらず薬草採取に勤しんでいた。

 その中の一人がこちらに気づいて走り寄る。ガキ大将坊やこと、ボビーくんである。



「おぉぉい!! 大丈夫か!!」


「ハアハア。いや・・・死ぬ」



 そのままアルフォンスくんは、草の上に大の字で寝転んだ。



「嬢ちゃん。獲物を出してくれ」


 ドサドサドサ!



 私は今回狩った、四体のビッグオストリッチをその場に出した。



「うお!! これ全部狩ったのか!? 大猟じゃねえか!!」



 その獲物の数に驚くボビーくん。



「アル。今度は解体を教えてやるぜ」


「ハアハア。もう少し待ってくれ」



 アルフォンスくんはまだ疲労から回復できないようだ。



「たくしょうがねえな~。10秒だけだぜ」


「みじか!!」



 クマさんの提示する短い休憩時間に、不満の声を上げるアルフォンスくん。


 そして復活したアルフォンスくんは、薬草採取組の子供たちも交えて、四体のビッグオストリッチの解体を終えた。



 グルォォォォ!



 その時、森の中から魔獣の声が響き渡った。


 

「この声? まさか地竜か!?」



 ボビーくんがその魔獣の声に反応する。



「それも結構大物だな? 嬢ちゃんの気配につられて来たか? まあ森からは出ねえと思うがもしもの場合もある。

 嬢ちゃん!? まだやれるか?」


「もちろん。まだまだやれますよ」



 地竜とは異世界もののラノベの定番だが、いったいどんな魔物なのか?



「アル! お前はここで休憩だ! 少し待ってろ!」


「え! ちょ!! クマジロウ!!」



 クマさんと私は土雲に乗って、再び森の中へ入っていった。


【★クマさん重大事件です!】↓


 お読みいただきありがとうございます!

 ほんの少しでも・・・・


 「面白い!!」

 「続きが読みたい!」

 「クマさん!」


 と思っていただけたなら・・・


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