表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

48/728

43:幼女 vs ドラゴン

「ゴックさん!! 奴にパンチです!!」



 ここに怪獣大決戦は幕を開けた。


 私はゴックさん2号の肩に乗り、ゴックさん2号に攻撃を指示する。



 ドカ~ン!!



 ゴックさん2号のパンチはドラゴンの胸辺りに命中し、ドラゴンが体を仰け反らす。


 

『ハハハ! 我を仰け反らすとは大したパンチだ!! これだ!! 我はこれを待っていたのだ!! 会いたかったぞ巨人!!』



 何というバトルジャンキー!! 


 ドラゴンは涙ぐみ、笑っているようだ。

 ドラゴンはこちらのパンチの威力を知るために、わざと受けた感じだ。

 そしてドラゴンは炎のブレスを、ゴックさん2号に向けて放った。



 ドボォォォォ~!!!



 炎の熱で、ゴックさん2号の装甲は焦げるが、土巨人のゴックさん2号には、あまり効果がないようだ。



『我の炎が効かぬとは大した奴よ!!』



 ドパ~ン!!



 ゴックさん2号は、そのままドラゴンの顔面をパンチで強打する。

 ドラゴンは再び仰け反るが、大して効いているようには見えない。

 そしてドラゴンは、その伸びきったゴックさん2号の腕に、爪で反撃する。


 

 ザシュ!!



 その太い岩のようなゴックさん2号の腕は、その一撃で千切れ飛んでしまった。


 攻撃力が違いすぎる。このままでは負ける!


 そう思った私はゴックさん2号を、浮遊する土雲に乗って降り、次の一手を繰り出す。


 

「ゴックさん!! ドラゴンを抑えて!!」



 私はゴックさん2号に、ドラゴンの動きを止める命令を下すと、収納魔法で、大きめのサイズの土銃、もはや土砲を取り出して、ボーリング玉くらいの砲弾を装填、5連結で浮遊させる。



「て~~~!!」



 ドン!! ドン!! ドン!! ドン!! ド~ン!! 



 瞬間ゴックさん2号が羽交い絞めにしていた、ドラゴンにその5発が命中。

 ゴックさん2号ごとドラゴンは吹き飛んでいく。



 ドドドドオォォォォォン!! ズズズズズ・・・。



 (とど)めに大きめの土爆弾をドラゴンに命中させると、巨大な青い爆炎が上がり、地震と衝撃波が辺りに吹き荒れた。


 騎士達やクマさんは地に伏せ、私は土壁で衝撃をガードする。

 ものすごい量の土煙が立ち込め、やがて視界が晴れると、そこには悠々とドラゴンが立ちつくしていた。

 だがゴックさん2号は跡形もなく吹き飛んだようだ。


 ありがとうゴックさん2号。君のことは忘れない。

 私は失われたゴックさん2号に敬礼する。


 

『すごい魔法だった。10年前に戦った魔術師オーウェン以上だ。だが足りぬな。我には傷一つつかなんだわ』



 地上最強の名は伊達ではないということか・・・。

 ドラゴン・・・硬すぎるな・・・。


 その様子を見ていた騎士たちが、絶望の表情でドラゴンを見上げるのが見えた。



『だが、ここまでだ。我が咆哮を受けて畏怖せよ』


「グオォォォォォォ!!!!」



 ドラゴンの咆哮。それは英雄の咆哮にも似た。ただ聞くものを恐怖に陥れることに特化した恐ろしい咆哮。

 それを聞いた騎士たちは、恐怖するものや気絶するもの様々だったが、その効果は絶大だったようだ。


 だが高い魔力を持つ私には効果は薄い。

 そしてその恐怖を払拭するために、私もありったけの魔力をのせて咆哮する。



「ふわぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」


 

 英雄の咆哮。そのスキルの名だ。


 今回ドラゴン戦において、出し惜しみは命取りと悟ったクマさんと私は、それを解禁していた。

 恐怖していた騎士たちは英気を取り戻し、気絶していたものも正気を取り戻す。

 そしてあふれ出る英気から、騎士たちは雄たけびを上げる。



「「おぉぉぉぉぉぉおおおお!!」」



『英雄の咆哮・・・生きてるうちに、再び目にすることになるとは・・・』



 ドラゴンは恐怖どころか感動して、涙すら浮かべていた。



『だが英雄よ。そなたは幼すぎた。我には届かぬよ・・・』



「いえ。これからですよ。ゴックさん3号!! 起動!!」



 私は収納魔法で秘策の一つである、ゴックさん3号を繰り出した。



『先ほどの土巨人か? もう見飽きたぞ・・・』



 ゴックさん3号の手は長い、そして2号とは違い、丈夫さ重視で中身が詰まっているために鈍重だ。

 だが油断しているドラゴンは、その3号の攻撃を躱す気もない。



 ヒュ! ヒュン!! バシ! バシ!


 ドドド~ン!!!



 ゴックさん3号は、その長い手を鞭のようにしならせ、ドラゴンを縛り上げて、そのまま巻きこむように倒れ、その体重でドラゴンを地面に圧迫する。



『ほほ~。締め付けに来たか。少しは効くが、やはり・・・・?』



 私はその隙にドラゴンの頭の上に乗り、その頭に手をやると、ドラゴンの魔力を吸い始める。



『ハハハ! 動きを封じて我が魔力を吸いつくそうとでもいうのか? 知らぬのか? 我が魔力は猛毒よ! 一度人がとり込めば、瞬く間に死に至る!』



 そう、ドラゴンの魔力は猛毒で、体内に入れれば荒れ狂い、その体を弾き飛ばすといわれている。

 幾人もの魔術師が挑戦して、死した行為なのだ。


 ただ私の魔力は膨大だ。ドラゴンの魔力をも時間をかければ、その溢れる魔力でごり押ししてものにできるのではと考えたのだ。


 そしてこれこそがクマさんが、私に今回授けた最後の秘策だ。


 ドラゴンの魔力を体内に取り込み、己がものとし、ドラゴンと同等の力を手に入れ、ドラゴンを倒す。

 クマさんによると、過去にそれを成功させて、ドラゴンを倒した英雄がいたという。

 クマさんと私はそこに賭けたのだ。


 私はドラゴンから飛びのくと、離れた場所まで退避する。



『どうした? 我の魔力はもう吸わなくて良いのか?』


「選手交代だ。次の相手はオイラだぜ」



 ここからは私が荒ぶるドラゴンの魔力を、己に馴染ませるまでの時間稼ぎだ。

 その時間稼ぎを、私の師匠たるクマさんが引き受けたのだ。



『聖獣か? ずいぶんと小さく非力になったものだな? あの娘は何をしている? もう戦わぬのか?』


「嬢ちゃんは休憩中だ。その間オイラが遊んでやるぜ」



 頭痛に、もうろうとする意識、体の中で暴れる魔力。これがドラゴンの魔力をとり込んだ影響か。

 私はドラゴンの魔力を、龍の荒ぶる魔力をなだめ、自身に馴染ませるために瞑想し、集中し始めた。



【★クマさん重大事件です!】↓


 お読みいただきありがとうございます!

 ほんの少しでも・・・・


 「面白い!!」

 「続きが読みたい!」

 「クマさん!」


 と思っていただけたなら・・・


 ブックマークと

 画面下の広告下【☆☆☆☆☆】から評価をお願いします!!

 【★★★★★】評価だと嬉しいです!


 いつも誤字報告を下さる方、ありがとうございます!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ