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地獄の嘆願書
私は鳥になりたい。
知能なんて風を感じられる程度があればいい。そうだな、3才児程度もあれば充分だ。
コンドルかフクロウのような鳥になって、アラスカのような荒涼とした寒々しい空を、どこまでも自由に飛んでいきたい。
寿命は20年もあれば充分だ。
間違っても人間に飼われるなんてのはごめんだ。
奇異の目で見られ、籠の中で自由を縛り付けられ、一生を終えるなんて吐き気がする。
たとえ身の安全が保障されていたとしても、それに耐え切れず自害を選ぶだろう。
人間はとても可哀そうな生き物だ。
狭くて汚いゴミダメの中を、毎日鬱々とした気分で過ごしている。
代わり映えのない世界で、代わり映えのない毎日。
背中に羽があれば、自由にどこまでも飛んでいくことさえできるのに。




