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第九十七話 幸せになっていくわたしたち

 わたしたちの結婚式には、セリラーヌさんとリデクさんとラヨンドさんの三人、そしてそれぞれのパートナーであるテドランスさんたち侯爵令息三人も出席していた。


 この六人は三組のカップルになるのだけれど、わたしのところにあいさつに来ていた。


 この三組のカップルも、この半年以内に結婚式を挙げる予定だ。


「クラデンティーヌ様、ご結婚おめでとうございます」


「ありがとう、みなさん」


 わたしは、うれしくて涙がこぼれてくる。


「みなさんで幸せになっていきましょう。わたしはそれを強く願っています」


 わたしがそう言うと、この六人は口々に、


「ありがたいお言葉です。わたしたちも、みなさんの幸せ、そして、マクシノール殿下とクラデンティーヌ様の幸せを願っていきます」


 と涙をこぼしながら言った。


 この全員が、結婚まで到達するということで、わたしはうれしくてたまらない。




 コルヴィシャルデ公爵家からは、お父様とギョーネさんと「改革プロジェクトチ-ム」のメンバーたちも出席していた。


 お父様は、病状が小康状態になっているので、出席することができた。


 お父様とわたしは、お互い、涙を流して喜んだ。


 こうした人々に、わたしたちは祝福されていた。


 思えば、一度目の転生の時は、このようなたくさんの人々の前で婚約を破棄された。


 卒業式後のことだ。


 そして、その後処断をされてしまった。


 今回の三度目の転生で、そのことを思い出したのは、一度目の転生で処断をされる時期の、わずか半年前だった。


 その時は、その運命を避けることはできないと思っていたのだけれど、そこからよく運命を変えることができたと思う。


 卒業式後の舞踏会での婚約破棄を避けることもできた。


 まだわたしが、以前のようなわがままで傲慢な女性に戻ると思っている人たちはいるようだけど、多くの人々がわたしのことを見直してくれた。


 こうして祝福をしてもらっていると。自分磨きを一生懸命行い、心の底からやさしくなれるように努力し、コルヴィシャルデ公爵家内の改善の為に尽くし、コルヴィシャルデ公爵家領内の改善に尽くし、マクシノール殿下の為に愛を捧げてきて、よかったと思っている。




 わたしたちの結婚式が始まった。


 出席者の祝福を受けながら、結婚式は順調に進んでいく。


 そして、誓いのキスを迎えた。


 マクシノール殿下とのキス自体は。これまでに数えきれないほどしている。


 しかし、これでマクシノール殿下と正式な夫婦になれるのだと思うと、熱いものがこみあげてくる。


 マクシノール殿下とわたしは向かい合った後、手を握り合う。


 微笑むマクシノール殿下。


 この微笑みに、わたしの心は一気に沸騰していく。


 そして、マクシノール殿下の唇がわたしの唇に近づいてきた。


 マクシノール殿下、素敵です、愛しています!


 わたしはそう想いながら、マクシノール殿下の唇に唇を重ねていく。


 わたしたちにとっての特別なキス。

 出席者たちは、この日一番の祝福をわたしたちにしてくれた。


 マクシノール殿下は幸せな気持ちで一杯のようだ。


 わたしも幸せな気持ちで一杯になっていく。


 こうして、わたしたちは正式な夫婦になり、わたしは正式な王太子妃となった。




 そして、その夜。


 わたしたちは、結婚式の行事をすべて終え、わたしたち夫婦の寝室になった部屋で、二人きりになっていた。


 既に二人とも、風呂に入り、着替えを行っている。


「これで、わたしたちは正式な夫婦になることができました。これほどうれしいことはありません。これからは、わたしたちで協力し合って、この王国をより一層発展させていきましょう」


 マクシノール殿下は微笑みながら、しかし、しっかりとした口調で言う。


 これからのわたしは、コルヴィシャルデ公爵家だけではなく、この王国の発展にも寄与していかなくてはならない。


 わたしも、


「わたしもマクシノール殿下と正式な夫婦になることができましたので、うれしくてうれしくたまりません。これからのわたしは、マクシノール殿下により一層尽くしていきます。そして、この王国を発展させていきたいと思っております」


 と微笑みながら、しかし、マクシノール殿下の思いにはしっかりと応えた。


 すると、マクシノール殿下は、


「今日はこれから、あなたと、『忘れられない夜』を過ごしていきたいと思っています」


 と恥ずかしそうに言った。


「忘れられない夜」


 わたしたちは既に、二人だけの世界には数多く入っていた。


 しかし、今日の夜は、正式な夫婦になってからの初めての夜になる。


 わたしとしても、「忘れない夜」にしていきたい。


 恥ずかしい気持ちになるけれど、それは乗り越えていく。


「わたしもマクシノール殿下と『忘れられない夜』を過ごしていきたいです」


 わたしは恥ずかしい気持ちを抑えながら、そう応えた。


「クラデンティーヌさん、好きです。愛しています」


「マクシノール殿下、好きです。愛しています」


 マクシノール殿下とわたしは、唇と唇を重ね合う。


 そして、二人だけの世界に入っていく。


 わたしは、甘い気持ちになり、そして、幸せな気持ちになっていきながら、マクシノール殿下ともっと愛を伝え合い、仲睦まじくなっていき、幸せになりたいと思うのだった。


今回が最終回になります。


読んでいただきまして、ありがとうございました。




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