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第九十一話 熱い想いを伝え合うわたしたち

 もうわたしの心は、マクシノール殿下で一杯になっていた。


 ここまでくると後は、どんどん仲を深めていくだけだ。


 そろそろいい雰囲気に……。


 そう思い出してからのわたしは、また、心が沸き立ち始めた。


 なんとかそれを抑え込んで、マクシノール殿下とのおしゃべりを続けていた。


 しかし、次第に抑え込むことが難しくなってきた。


 恥ずかしいことだとは思うけど、わたしから、マクシノール殿下を恋の次の段階にお誘いをしたいという気持ちは、だんだん強くなってくる。


 でも、はしたない女性だと思われたくはないし……。


 わたしがそう思っていると、マクシノール殿下は改まった表情になり、


「クラデンティーヌさん、わたしはあなたに今から大切な話をしたいと思います:


 と言った。


 これからマクシノール殿下とわたしの関係は、新しい段階を迎えようとしている。


 わたしは、急激に緊張してきた。


「よろしくお願いします」


 とわたしが言うと、マクシノール殿下は、


「それでは申し上げます」


 と言って、言葉を一回切った。


 そして、心を整えると、話をし始めた。


 わたしの緊張はどんどん高まってきていた。


「クラデンティーヌさん、わたしは、あなたのことが好きです。愛しています。その想いはどんどん高まってきています。もうわたしはあなたのものです。それだけあなたのことが好きなのです。いや、今ここでどれだけあなたにその熱い想いを伝えても、その想いの内のほんのわずかしか伝えることができない。それがもどかしくて仕方がない。ここのところ、わたしは忙しくて、王宮にあなたをお呼びすることはできませんでした。あなたとこうして、おしゃべりをしたかったのにも関わらす、お呼びすることができませんでした。それで、わたしとしてはつらい思いをしていました。あなたと毎日あいさつをして、思いを伝え合うことができたのは救いでした。しかし、最初の内はよかったのですが、だんだんそれ以上に進みたいという気持ちが大きくなってきていて……。ここ数日は、あなたのことを想って、食欲もなくなり始めたところでした。あなたとこうして会えてうれしいです。このわたしの想い、受け取っていただけまうでしょうか? 受け取っていただけるとうれしいです」


 マクシノール殿下は、最初は恥ずかしそうに話をしてしていた。


 しかし、途中から、わたしに対して熱い想いを伝えてくれていた。


 わたしはその想いに応えていかなければならない。


「わたしもマクシノール殿下のことが好きです。愛しています。マクシノール殿下が、わたしのことを愛してくれて、とてもうれしく思っております、わたしは、ますますマクシノール殿下のことが好きになり。わたしの心は、マクシノール殿下で一杯になってきています。わたしはマクシノール殿下のものです。マクシノール殿下に尽くしたいと思っています。しかし、残念ながら、わたしの方も、マクシノール殿下への熱い思いをほんのわずかしか伝えられていません。もっと、マクシノール殿下とおしゃべりをしたいですし、恋人としての次の段階へと進んで行きたいと思っています。それだけマクシノール殿下のことが好きなのです」


 わたしは、今まで以上にマクシノール殿下への熱い想いを込めて言った。


 最後の方は、恥ずかしいことも言ったのだけれど、それを含めての熱い想いだった。


「面白い」


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