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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第5章 捜査その5:帝都大動乱!

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第16話 新米捜査員は、皇帝陛下をもてなす。

「見事であったぞ。ここまでの味、宮廷調理人でもなかなか出せぬ。エレよ、タケを余の宮廷調理人としてくれぬか?」

「陛下、ご冗談を。タケはわたくしの可愛い部下。そして優秀な科学捜査員ですわ。タケには料理では無く、科学技術で陛下のお役に立てたらと思いますの」


 今は食事が一通り終わり、陛下に昨日作って保冷していたアイスを食べて頂いている。


「それならしょうがない。タケを料理人として雇うのは我慢しよう。タケよ、事案が終わったら一度城へ来て調理人に料理講習をするのだ。これは皇帝命令だ、頼むぞ!」

「ははぁ!」


 僕は陛下に対して(ひざまず)き、内心泣きそうになりながら(めい)を受けた。


 ……前にナナさんに言われた事が現実になっちゃったよぉ!


 今回の料理は鳥肉の酒蒸し、ケールのジーザーサラダ風ベーコン炒め、卵中華風スープ。


 今回も秘蔵の調味料達の助けがあって、我ながら満足できるできばえであった。

 食べた全員、うまいぞーと吼えていた。

 なお、陛下は僕達が食べていた白米に興味を持ち、少し食べてうむむとしていた。

 まあ、白米だけ食べたら、あまり味がしないのはしょうがないけれども。


 ……僕って、いっぱしの料理人になりつつありそう。しかし専門は化学捜査検査技師だったはずなのに、どうやったら戦場でライフルばんばん撃って、皇帝陛下に料理をお出しするようになるんだろうか? 解せぬ。


「さて、ここからは本題に入ろう。すまぬ、神殿の者はここから出てはもらえぬか?」

「はい、分かりました。フェアノール、お母様は陛下とお話があるから、お婆ちゃんと一緒に向こうへ行こうね」


 皇帝陛下の命で神殿関係者は、席を立ち始める。

 マムの母がフェアを連れて行こうとして抱き上げようとするも、フェアはイヤイヤとマムに抱きついた。


「ぼく、おかーたまといっしょにいるのぉ!」


「ははは、しょうがない。良いわ! フェアノールよ、其方(そなた)も余の話を聞くのだ!」


「申し訳ありませんです、陛下」


 マムの両親と神殿関係者は陛下に謝りつつ、食堂から去っていった。


「では、話に入るぞ。まず発端は、今回の領主会議が始まる直前から始まったのだ」


 人払い&遮音結界が皇帝側近(アレクセイ)によって食堂に張られた後、陛下から直接詳しい状況が話されだした。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 今回、行われる領主会議。

 例年は各領内の農産物、海産物、工業製品等の流通について、またはそれぞれの租税の税率。

 そして各地独特の問題について語られる場である。


 近年モエシア領は、地球と繋がったポータムからの大量の物資・技術、そして(マネー)のお陰で帝国内でも随一の税収を誇っている。

 しかし、辺境伯たるコウタ・クヌグが帝国内どころか宇宙を飛び回っている為に報告すら代理人が行っているので、コウタと共に大災害時に戦ったアンティオキーア領主(ザハール)以外とは関係があまりよろしくない。

 実際、妬みすら受けているとの事だ。


 そんな中、今年はうら若き領主婦人(ナナ)が領主代行として会議に参加する、また領主たる辺境伯からは義理の妹になる、別世界のエルフ王女(リタ)が国交樹立を行う為に帝都を訪れる事になった。

 この事は、モエシア辺境伯に良い思いを持たない他領の面々、及び辺境伯を重視し好き勝手させている(と思われている)幼い皇帝への反感を持つモノたちの動きを活発化させた。


 皇帝陛下は、自分が悪く思われている事すらもケラケラと笑いながら僕達に話した。


「つまり、リタ姫やナナさんの来訪が、陛下への反逆の切っ掛けになったとおっしゃられるのですね」

「余が、市井や下女、その他様々な情報筋から集めた話から総合すれば、そういう事になるのだ」


 皇帝陛下、街中を出歩いては色々と住民受けする行為をやっているらしく、先日の市場でも「ある意味」住民から可愛がられているような印象を受けた。

 この「街中ぶらり」は、遊びは半分だろうが市井からの情報を入手する場でもあるらしい。


 ……まさか、誰か陛下に「暴れん坊将軍」のビデオ見せなかったよねぇ。


「陛下におかれましては、もう少し大人しく宮廷で居て欲しいというのが、護衛の者達からの意見でございますが……」

「なぁに! 大抵の悪漢ごとき、余の敵では無いわい!」


「陛下ってまるで、『暴れん坊将軍』ですね」


 僕は、御付の青年が陛下に愚痴るのを見て、つい呟いてしまった。


「何だ、それは? タケ、詳しく余に申せ!」


「あ、しまったぁ。思ったこと、つい言っちゃったぁ」

「タケ殿、それは拙者も思ったことでごさるが、陛下の前で言ってしまったら終わりでござるよ」

「なんじゃ、タケよ。それは面白いものか? まさかアニメかや?」


 僕が失言してしまった事を悔いた発言に、同じく言うのを辛抱してたヴェイッコも愚痴を言ってしまう。

 そこに、更に反応するリーヤ。

 もう場は無茶苦茶だ。


「タケ、もう観念してお話ししなさいな。まあ、わたくしも気になりますわね」


 マムは、ご機嫌なフェアを膝の上に乗せたまま、僕に説明を促した。


「はい、ではしょうがないのでお話し致します。陛下、地球から導入されたテレビというものは、ご存じでしょうか?」

「ああ、ウチの城でも余が見るために発電施設込みで導入しているぞ」


 ……どうやらお城には、既に電化の兆しがあるようだ。


「でしたら、説明が楽です。先程、私が呟いたものは、過去に地球は日本のテレビで放送されましたドラマ、演劇の題名でございます。地球は、日本に古来存在した武家政権、徳川幕府の代表、8代目将軍の徳川吉宗公の逸話を基にしたドラマ、時代劇なのです」


 現実の吉宗公には、江戸の街中を暴れまわった事実は無い。

 しかし、将軍になる前の紀州時代、幼い頃は暴れん坊だったらしく、将軍になるのも家康直系の本家筋が病死した事で突如舞い込んだなど等、色々なエピソードに富む将軍。

 享保の改革や小石川療養所の設置、蘭学の解禁、目安箱の運用などなど功績も多い。


 ……まさか、後に仮面ライダーの映画で怪人どもをバッタバッタ切り払い、ライダーより強そうに見えたとは、将軍様ご本人も草葉の陰で爆笑している事だろうよ。


「なるほど、それは面白い! 今度、その時代劇とやらを余が見れるようにするのだ。またリリーヤやリタ姫が話すアニメとやらも面白そうだな」


 ……こうやって帝国内にまた1人、日本文化に侵食された人物が生まれたのは良かったのだろうか?

 暴れん坊将軍ならぬ、暴れん坊皇帝の誕生です。(笑)


 では、明日の更新をお楽しみに。

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