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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
最終章 捜査その10:僕は美少女姫様と異世界で刑事をする!

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第53話 最終決戦! その7: 最後の悪あがき!

「バトラー! 起きるのです! いったい、どうしたのですか!」


「ほう、あそこで投げ技に持ち込むとは、泥臭いながら見事じゃ!」


 デビットは倒れ伏すバトラーに寄り添い、抱き起こす。

 そして、その様子を近くで面白そうに眺める魔神女帝(デーモンエンプレス)


「伯母上、そしてデビット! チェックメイトなのじゃ! 観念するのじゃ!」


 要塞から飛び出したザコを全て撃破したチエのM2改7号機、マムの5号機が女帝、デビットへ武器を向ける。


「チエや。そんなオモチャでわらわを倒せるとでも思いか? それに其方(そなた)の仲間は皆死んだのじゃぞ?」


 女帝は、まだ自分が優位にあると思っている様だ。


 ……やっぱり遠隔操作って気が付かなかったのね。


「あらぁ。女帝様とは思えぬ愚かな発言ですわぁ」

「まこと、我が姉上とありながら、まんまとチエの策にハマってしまったとはねぇ」


 魔神女王が空間転移をしてくる。

 そして僕の仲間達も全員武装して飛び出してきた。


 女帝を(あお)るマユコ。

 ある意味、彼女も女帝の風格を持つのだが……。


「あら、今誰かわたしの事を変に思いませんでしたかしら? 女王様とか女帝とか。わたし、そんなに偉そうなのかしらぁ」


 マユコの殺気混じりの囁きに、味方全員は魔神女王含めてブンブンと首を振り、魔神女帝すらマユコの殺気に(おのの)いた。


「な、何でおじゃるのか。そのオンナは!」


「ワシの母様(かあさま)なのじゃ! 伯母上、それにデビット。ワシが作り上げたロボットは全部遠隔操作、例え撃墜されても死ぬことなぞ無いのじゃぁ!」


 チエは(ひる)む女帝にドヤっぽいポーズを機体にさせて、ネタばらしをする。


「これで一見落着かな? あれ?」


「タケ、もう機体が限界なのじゃ。今の脚払いで脚が壊れたのじゃ!」


 僕の機体の右脚がとうとう限界を超え、ぼきりと折れた。

 どすんと倒れる1号機。


「そうか。1号機、よく頑張ったね。ありがとう。さて、僕達も外に出ますか?」


「うむなのじゃ!」


 僕は、機体外部へ繋がるポータルを起動して、外に出た。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「さあ! 観念をしてください、デビットさん?」


 マユコは日本刀をデビットへ突きつける。

 そしてその横には九十九神ビットを展開したナナ、魔剣シャドースマッシュを構えるコウタが居る。


「はぁ。女帝様も動けないのでは、本当にチェックメイトですか。しかし、どうして貴方方のような賢い者達が私の理想に従ってくれないのですか?」


「それは、貴方の理想には自由が無い、デストピアだからなのよ」


「そうなのじゃ! ワシらは平和を愛する者じゃが、同時に自由も愛しておるのじゃ!」


 女帝を魔神女王(デーモンクイーン)が押さえ込んでいる中、デビットはバトラーを抱えたまま、自らの正しさを問う。

 それに対してマユコとチエは反論する。


 ……デビットって、まだ何か諦めていない気がするんだけどねぇ。


 僕は愛用の狙撃銃(M110A1)を抱えて、機体の側にポータルゲートを展開、リーヤをエスコートしながら出る。


「余もマユコやチエ殿に同意だ。平和、実に結構。だが、全ての行動を監視するような社会は、実に不健康。そして、全ての考えを支配者と同一化するなぞ、愚か。そこでは発展すら止まってしまうのだ」


「皇帝陛下も私には同意しませんか。帝政などという独裁を行う者としては、実に現代的ですが。全部思い通りにさせられるのに、どうしてそうなさらないのですか?」


 少年皇帝は、フンという感じにデビットを否定する。


「そんなの面白くないからに決まっておる。皆が同じでは、同じ事しか起きない上に、新しい事も起きないぞ。こと、異種族が多く存在するこの星で、同じなどというのは実にバカらしい。違いがあって当然! 違いを認め合い、尊重しあって、新たなものを作るのが面白いのだ!」


「それで争いが起きるとしてでもですか?」


「それを防ぐのが王や皇帝、政府の仕事ではないか? 教育で偏見を無くし、新たな考えを知り、共に高みを目指すべきなのだ!」


「皇帝陛下は、そしてココに集う英雄殿達は楽観主義、実に甘い夢をみられていらっしゃるのですね」


 デビットは哀しそうな顔でバトラーを寝かして立ち上がり、僕達の考えを「夢」と切り捨てる。


 ……まるで舞台役者っぽい雰囲気だね、デビットは。


 彼はゆっくりと歩み、芝居じみた動きをしながら語る。


「夢こそが罪悪。人は夢を見るから不幸になるのです!」


「甘い夢で結構! 夢すら見られず、どうする! 現実が夢と違うのであれば、現実を夢に近づけるべく努力すれば良いのだ!」


「でしたら、貴方達は、今ここで現実を思い知りなさい!」


 デビットが叫ぶ。

 その瞬間、僕はとてつもない殺気と寒気を感じた。

 その殺気は、いつのまにか身体を起こしていたバトラーから放たれており、少年皇帝の側へと歩いていたリーヤと皇帝へと向かっていた。


 ……あ、危ない!!


 僕は「魔弾の射手」を発動する。

 白黒になった視界の中、バトラーはバトルスーツ用のハンドガンを持ち上げる。

 リーヤへと向けて。


 ……そうか! デビットは自分に視線を集めて、バトラーの動きを隠していたのか。ちくしょー、間にあえぇ!!


 僕は、マユコに教えてもらった瞬動法を使う。

 脚に集めた魔力を爆発させて、一気にリーヤへと跳躍する。


「リーヤーさーん!!」


 僕は、飛びついた勢いでリーヤと陛下を押し飛ばす。

 そしてバトラーへと視線を向けた。


 しかし、すでにバトラーの銃からは大型の弾丸が発射されており、本来リーヤや陛下が居た場所、つまり今僕の居る場所へと迫り来る。


 回転をしながら空気を掻き分ける姿すら分かる大きな弾を避ける余裕は、体勢が大きく崩れた今の僕には無い。


 ……だったら!


 僕は弾丸に向けて半身となり、身体の前に盾になるようにライフルを縦に構えた。

 そして弾丸はライフルと僕の身体を貫いた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「リーヤさーん!!」


 わたくし(リーヤ)は、陛下の下へと歩いていた時、タケに急に呼び止められた。


「な、なんじゃ?」


 タケは物凄い勢いで、わたくしと横に居た陛下に飛びかかってきた。

 そして、わたくし達2人は、タケに突き飛ばされた。

 転んでしまったわたくしは、タケに文句を言う。


「い、一体? 急に何をするのじゃ!」


 しかし、タケは答えない。

 そして大きな銃声がして、タケは崩れ落ちた。

 

「た、タケェ? タケ、タケェ! 一体どうしたのじゃ! 早く答えるのじゃ、タケェェェ!!」


 わたくしは立ち上がりタケに急いで寄り添った。

 タケは、口から血を流し、持っていたライフルが大きくひしゃげていた。


「タケ、タケぇぇぇぇ!」


 わたくしは、タケを揺する。

 しかし、タケは眼を開けず答えてもくれない。


 周囲では、誰かが何か叫んでいる様だ。

 でも、そんなのは構わない。

 今、一番大事なのはタケの命。


「誰か、タケを! タケを助けてぇ!」


 わたくしは、大声で泣き叫んだ。


「落ち着いて、リーヤさん。貴方にはタケを助ける力があるわ。わたくしが教えましたわよね。大丈夫、今の貴方なら救えますわ」


 マムは機体の指でわたくしを揺すり、声を掛けてくれた。


「こ、此方(こなた)に本当に出来るのかや? タケを助けられるのかや?」


「ええ、絶対大丈夫よ。さあ、やってみましょう!」


 わたくしは涙をこらえ、大きく息を付き、体内に集うマナを感じた。


「うんなのじゃ! 此方に集うマナよ! 此方が愛するタケを救う力となるのじゃ! 傷つきしものを癒す力を此方に与えよ、快癒(リフレッシュ)!」


 わたくしの願いに魔力は答えてくれ、タケの身体が光る。


「う、り、リーヤさん? あ、リーヤさん、大丈夫ですか?」


「もう、心配していたのは此方なのじゃぁ! わーん!」


 わたくしは、意識を取り戻したタケに抱きついて泣いた。

「デビットめ、悪あがきが過ぎるのじゃぁ。タケ殿が気づいたから良かったのじゃ。ワシは近くにはおらなんだから、危なかったのじゃ!」


 あの場所では、マムも居ませんし、危機一髪でした。

 しかし、タケ君は自らの身体を盾にして陛下とリーヤちゃんを助けたのです。


「そういえば、デビットやバトラーが大人しいのじゃ。リーヤ殿を更に襲う事も無く、一体どうしたのじゃ?」


 それは明日の更新をお楽しみに。

 明日は、最終決戦最終回です!

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