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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
最終章 捜査その10:僕は美少女姫様と異世界で刑事をする!

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第44話 巡査部長は、エルフ姫様に驚愕した!

「皆、急ぐのじゃ! 早くせねば、リタ殿がぁ!」


 僕達は今、南極にある狂気山脈内の「(いにしえ)のもの」の遺跡へ来ている。

 遺跡内にある大型ゲートシステムを使って、リタ姫の住む惑星アルフへの長距離転移を行うためだ。


 〝くれぐれもリタの事を頼むぞ! 私も動ける身であれば、赴くのであるが……〟


 「古のもの」、ヒラムはヒトデ状の頭部にある5つの眼を心配そうにしている。


 ……ヒラムさんって一見、怖そうな姿なんだけど、あの眼見たらとっても優しい「人」だって良く分かるよ。アキト君も優しく抱いていたし。


 皆に聞いた話では、遺跡内にコウタ達と米軍が入った時、ヒラムとは戦いになる直前にナナとリタが彼と友達になって、それ以降はヒラムとコウタ達は家族ぐるみの関係になり、長距離転移の際には毎回お世話になっているそうだ。


「もちろんなのじゃ。さあ、ゲートを出たら戦場なのじゃ! タケ殿、リーヤ殿はM2号をゲートを出たら直ぐに異次元ポケットから出して搭乗なのじゃ! コウタ殿は、一気に攻め込んで要塞をぶった切るのじゃ!」


「はい!」

「のじゃ!」

「ああ!」


「他の皆も油断するでないのじゃ! では、行くのじゃ!」

「おー!」


 岡本家4人、対策室2人、そして僕とリーヤの総勢8人は、アルフ星へと跳躍した。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「さあ! 行くよ、リーヤさん」

「おうなのじゃ!」


 ゲートから出た僕は、異次元ポケットを開こうとした。

 この異次元ポケットは、青ダヌキの四次元ポケットと同じ。

 なんでも放り込めて重さも感じない上に、手を突っ込む時に何を出したいのか想像していおけば、目的物を掴める。


 ……次元石を利用したって言っているけど、チエさんすごいなぁ。


 しかし、僕は周囲の様子を見て、M2号を取り出すのをやめた。


「チエさん。……これじゃ僕達、もう手遅れですね……」


 ……もっと早く来ていたら、何か出来たのに……。


 僕は周囲の様子を見て、言葉を失った。


「そうなのじゃぁ。ワシらは、リタ殿のピンチに間に合わなかったのじゃぁ……」


 チエは、しょんぼりと顔を伏せた。


「俺がもう少し早くポータムから帰っていたら……」


「しょうがないわ、チエちゃん。コウちゃん。とりあえず、リタちゃんの顔を見に行きましょう」


 そんなチエやコウタを、マユコは慰める。


 僕達は、リタのピンチに間に合わなかった。

 全員、その事を大きく悔やんだ。


・・


「ワシ、リタ殿の活躍見たかったのじゃぁぁ!」

此方(こなた)も、なのじゃぁ!」


 そう、既に戦いはリタの勝利で終わっていたのだ。


「リタ姫、ばんざーい!」

「姫様、かわいー!!」

「リタ様、カッコいい!」


 次元門(ゲート)が設置されている神殿から出た僕達は、王都エルフェイムに住む大勢の市民が、リタ姫を大きく称えているのを聞いた。


 ……どうやら、リタ姫がデビットの要塞を追い払ったみたいだね。町に殆ど被害は無いし、要塞も此処にないし。


「無事に終ったようですから、ゆっくり姫様からお話し聞きましょう」


「そうなのじゃ! 此方、またスゴイ魔法教えてもらうのじゃ!」


 僕達は、歓声止まない王都を進んでいった。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「おねーちゃーん! おかーさーん!」


 被害が無かった城の謁見室に僕達が入ると、スゴイ勢いでリタ姫が飛んできて、マユコやチエ、ナナに抱きついた。


「わたし、がんばったよぉ。でも、とってもこわかったよぉぉ! うわぁぁん」


 幼子のように泣くリタ姫、心なしか話す日本語も幼く聞こえる。


「ええ。良く頑張ったわね、リタちゃん」


「それでこそ、ワシの自慢の妹なのじゃ!」


「そうそう。リタちゃんはやっぱりすごいよ!」


 しばらく僕達は、子供のように泣くリタ姫を温かく見守った。


・・


「で、一体どうなってこうなったのじゃ?」


「そうね。わたしもリタちゃんがどうやって皆を守ったかが知りたいわ」


 やっと落ち着いて、食堂大広間にある椅子に座るリタ。

 僕達も座ってゆっくり話を聞く。


「あ、ルーペット。ありがとう存じますわ」


 側仕えのルーペットが入れてくれたお茶を一口飲んでから、リタは話し出した。


「デビットが要塞、確かアバドーンって言ってたの、そのアバドーンでこの星に攻めてきたんだけど……」


 リタの口から戦いの様子が語られる。

 デビットは、リタに「砲艦外交」として降伏勧告を迫った。


 彼は宇宙の平和のために、全ての人々は自分に従えと要求した。

 これに従えない者は、全て容赦なく排除する。

 そして親子でも密告させるようなデストピアを目指すと宣言した。


「そんなの従える訳ないじゃん。で、リタちゃんは怒ったのね」


「うん、ナナお姉ちゃん。本当は皆が来るまで時間稼ぎをするつもりだったけど、我慢できなかったの。みんな、ごめんなさい」


 リタは、すまなそうな顔で頭を下げた。


「いや。俺でもそれは怒るよ。ちゃんと、この星の皆を守れて居るんだから、リタちゃんは偉い!」


「そうそう、コウタ兄貴の言う通り。リタちゃんは、ちゃんと皆の事を考えているんだから。どこぞの政治家は、リタちゃんの爪の垢でも飲ませたいくらいさ」


「ウチのバカ旦那にしては、正しい事言うわね。リタちゃん、いやリタ様には女王としての資格がございますの」


 コウタ、タクト、アヤメは、リタの元に歩み寄り、彼女の頭を皆で撫でた。


「もう、みんなぁ。わたし、24歳にもなるんだよぉ。もう子供じゃないんだもん! 『槍』お兄ちゃんもそうだけど、皆でわたしを子供扱いしないでぇ! やっとお兄ちゃん達に、立派な姿見せられたと思ったのにぃ」


 文句を言うも、その顔は笑顔のリタ。

 幼さが抜けつつあり、エルフ族としての優雅さと美貌が見える。

 プラチナブロンドと翠眼の容貌は、とても綺麗だ。


「タケや。いくらリタ殿が美人だからといって、見惚れてはダメなのじゃ! タケは、此方だけ見ていれば良いのじゃ!」


「もー、リーヤさんたら。こんなところで焼餅焼くのは辞めてくださいな!」


 周囲の皆は、僕とリーヤの毎度な「夫婦漫才」に笑う。


「さて、ここまでで経緯は分かりました。で、どうやって姫様はデビットを撃退したのですか?」


「そこはチエお姉ちゃんに教わった、『餌』を撒いたの」


 リタは、デビットが自分を怖がっているのではと、挑発。

 自分が一撃を加えるから、それで何もなければ自分の負けだと、勝利条件をリタが提示した。


「デビット、わたしの挑発に乗ってくれたから、思いっきりブッパしちゃったの。でもね、やり過ぎて杖壊れちゃった。マサトお兄ちゃんに謝らなきゃ」


 リタは、杖の残骸をそっと机に置いた。

 それは、真っ二つに折れ、先端部は粉々になっている。


「リタ殿のマナ出力に耐え切れなんだのじゃな。で、コアパーツや中におった精霊や妖怪は無事かや?」


「うん、チエお姉ちゃん。皆無事だったから、仮にわたしに一時憑依してもらっているの」


 よく眼を凝らしてみると、姫の周囲に様々なモノが見える。


「何、マサト殿は今回の結果を見て、逆に驚いて嬉しがるのじゃ! 確か予備にと強化型の製作に入っておったと聞いておるから、ワシ連絡しておくのじゃ!」


「お姉ちゃん、ありがとー。わたしからも、マサトお兄ちゃんには連絡するね」


 マサト先輩が、リタ姫の装備やイルミネーター開発に関与しているとは聞いていたが、可愛い女の子が全長数キロの要塞を一撃で撃退できる魔法の杖を作ったというのはびっくりだ。


「ちょうどイルミネーターで砲撃シーン写していたから、皆見てね」


 僕達は、リタ姫の戦闘映像を見た。


「え! スゴイ、凄すぎるのじゃ! 此方、かんどーしたのじゃぁ!」


「うむうむ。さすがはワシの妹なのじゃ!」


「そーだね、チエちゃん。リタちゃんは、わたしの自慢のいもーとなのぉ!」


「はぁ。やっぱり俺が身内最弱じゃないか。最近は少し自信もあったけど、また修行の旅に出なきゃいけないかも……」


「コウタ兄貴、自信もってくださいよぉ。俺の方がダメダメですもん。しっかし、すげー!」


「リタ様。恐れ入りました」


「うんうん。リタちゃんは自慢の娘ね!」


 皆、あまりの凄さに感動しきりだった。


 ……SFXやCG無しで、あれとは……

「リタ殿。ここまで成長しておったのじゃな! ワシの想定の10倍は凄かったのじゃ!」


 チエちゃん、リタちゃんが無事で良かったですね。


「うむなのじゃ! まさか、要塞のシールド、装甲をぶち抜いて反対側まで貫通するとは思っていなかったのじゃ!」


 その辺りの描写は、明日の話でデビット側から描きますね。


「それは楽しみなのじゃ! さて、これでワシの計画を実行できる時間が稼げたのじゃ! M2量産させて、今度は火力アップとバリエーション作るのじゃ!」


 それは楽しみです。

 では、明日の更新をお楽しみに!


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