表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第2章 捜査その2:領主暗殺未遂並びに美幼女誘拐事件

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/351

第14話 幼女は、油断から誘拐される!

「うー! もー我慢の限界なのじゃ。お父様が危ないのじゃ。あのような問答なぞ悠長に聞いてはおられぬのじゃ!」


 そう叫ぶとリーヤは、イルミネーターを被って機動要塞指揮車(シームルグ)の後部ドアから飛び出した。


「ちょ、ちょっと待ってよー! マム、ヴェイッコさん、ギーゼラさん! 緊急事態発生! リーヤさん御乱心!! 御乱心して、ザハール様の部屋へ突撃しに行きましたぁ! 僕はリーヤさんを追いかけます。ギーゼラさんは車の方へ戻って護衛、ヴェイッコさんは、マムの応援へよろしく! キャロリンさんは、お留守番お願い!」


 僕は皆の返事を聞くまでもなく、リーヤを追って走った。


「タケ様、娘をよろしくお願い致します!」


 走る僕の後ろから、(リーヤ)を心配するお母様の声が聞こえた。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「病み上がりのお父様にナニをしてくれるのじゃぁ!!」


 僕がリーヤに追いついたのは、彼女が賊に球電を叩きつけた直後だった。


「何ぃ!」


 ユーリが振り向いて、リーヤを睨む。


「このバカたれがぁ。お前のような側仕えがおるから、イワンはバカになってしもうたのじゃ。大人しゅう縛に付くのじゃ!」


 お得意のドヤ顔で叫ぶリーヤ。


「これはこれはリリーヤお嬢様。良くぞ我がイワン様の元へお越しなさる気になって頂きました。では、ご足労願えますか!」


 ニヤリと気味の悪い声で話すユーリ、そして彼の口から呪が放たれる。


昏睡(ディープスリープ)(クラウド)』!


 ……しまった! これは眠りの魔法だ!


 皆の周りに怪しげな煙が発生した。

 僕は、ガスと判断し息を止めたのだが、それでも強烈な眠気に襲われた。

 それは、魔法耐性が強いはずのリーヤやザハール、マムすらも眠りにさそう呪術。

 「眠りの(スリープ)(クラウド)」の上位魔法。


 ……くそぉ!


 僕は手からPDW(個人防衛火器)が零れ落ちるのを感じた。

 そしてユーリ以外の全員が倒れるのが見えた。

 僕も意識が遠くなり立っていられなくなる。


 ……このままではリーヤさんが危ない! あんなヒキガエル(イワン)にリーヤさんが汚されても良いのか!!


 その時、ふとリーヤにキスをされた頬に熱を感じた。

 その熱に押されて、僕は消えそうな意識を保つためにある事に挑戦した。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 ぱん!


 軽い破裂音がしたが、それはユーリには向かってこなかった。

 昏睡に陥る前の、ただの悪あがきか?

 そう、ユーリは思った。


 領主、エルフ、ヒト、そして姫が床に倒れ伏す。


「そうだ。そうして頂ければ、イワン様は喜ぶのだ! イワン様の喜びは私の喜び! 皆、イワン様にひれ伏すのだ。イワン様こそ、いずれは帝国皇帝になられる御方(おんかた)なのだぁ!」


 ユーリは狂気に満ちた笑いを、その顔に浮かべる。


「さあ、姫を回収するか。うん? なんだ、このヒトは」


 ユーリの眼に(リーヤ)のスカートを握りしめたヒトが写る。


「そうか、コイツが地球から来たとか言うガキか。イワン様のプロポーズを邪魔したのも、ザハールを殺せなかったのも、襲撃を台無しにしたのも全部オマエのせいだ。せっかく揃えた手下が全滅ではないか!」


 ユーリは、自分が連れてきた手下()達を一瞥する。

 ソレらは雷撃を受けて真っ黒に焦げ、一目で息をしていないのが分かった。


「他の部屋を襲撃したものも生きてはおるまい。それもこれもオマエが来たせいだ。死んでイワン様に詫びろ!」


 ユーリはヒト(タケシ)を蹴り転がした。


 ぱん!


 再び軽い破裂音がする。

 そして、灼熱がユーリの腹部を襲った。


  ◆ ◇ ◆ ◇


 僕は、「昏睡雲」により消え去りそうな意識を繋ぐためにバクチに打って出た。

 右腰横に差していた拳銃を右手で握り、セーフティを解除してホルダーに差したまま引き金を引いた。


 ぱん!


 拳銃から放たれた9mm弾が、僕の身体の側面を削る。


 ……う!!


 抉れた傷が灼熱、そして激しい痛みを僕に与える。

 しかし、その痛みが僕を昏睡から守った。

 倒れる前に、僕はリーヤのスカートを左手でしっかりと握った。

 そして背を上に向けて床に倒れる。


 ……この手を簡単には離すもんか!


 今度は痛みで消えそうな意識を根性で耐え、ユーリの動きを横目で観察する。


「イワン様こそ、いずれは帝国皇帝になられる御方(おんかた)なのだぁ!」


 ユーリの発言は狂気じみている。

 そこまで、あのバカ(イワン)を崇拝出来ることが僕には理解できない。


 ……リーヤさんになら、僕も理解できなくもないけどね。


「それもこれもオマエが来たせいだ。死んでイワン様に詫びろ!」


 そして僕はユーリに蹴り転がされる。


 ……ここだ!


 僕はリーヤのスカートから手を放し、ころんと転がった。

 そして右手に握った(SIG_SAUER)(P365)を両手で握りしめ、トリガーを絞った!


 ぱん!


 拳銃(9mmパラベラム)弾が、ユーリの腹部に血の花を咲かす。


「なにぃ?」


 自分が撃たれた事に気が付かないユーリ。

 僕は、そのまま続けて2回トリガーを引いた。


 ぱん、ぱん!


 更にユーリの胴体に2つの血の色の花が咲く。


「お、おまえぇぇぇ」


 よろよろと後ずさりながら、呪詛をかけるような声で僕に問うユーリ。


 ……トドメを刺さなきゃ!


 僕は、身体を起こして追撃をしようとした。


「イワン様ぁぁ! お届け物ですぞぉ!」


 しかし、銃撃を受けた老人とも思えぬスピードでユーリは走る。


「ま、待てぇ!」


 僕は拳銃をユーリに向けた。


「あ、しまったぁ!」


 ユーリは、昏睡したままのリーヤを軽々と担ぎ上げ、とても半死人とは思えぬスピードで寝室から走り去った。


「リ、リーヤさぁぁん!」


 僕は起きだしてユーリを追いかけようとした。


「う!」


 しかし、銃創からくる痛みと「昏睡雲」の影響が僕の意識を蝕む。


 ……リーヤさん、僕のリーヤさんがぁぁぁ。


 そして健闘むなしく、僕の意識は暗闇の中に落ちていった。

 誘拐されてしまったリーヤちゃん。

 タケ君はどうやってリーヤちゃんを救うのか、続きをお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ