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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第6章 捜査その6:日本ドタバタ観光編

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第38話 新米騎士爵は、取調室でカツ丼に出会わない?

「ですから、僕は日本の警察官でもありますし、異世界帝国の捜査保安官かつナイトの称号持ちです。拳銃も正規の手段で所持しているんです!」


 僕は今、京都府警東山警察署の取調室で叫んでいる。


「その正規な証拠ってのはドコなんだよ! オマエみたいなガキが拳銃持っているだけでも犯罪に決まってる! その上、いくら爆弾犯を取り押さえるとはいえ発砲して、犯人を病院送りにして無事何も無かったでおわるわきゃねー!」


 しかし、僕の眼の前にいる刑事、おそらく三十路そこそこくらいのまだ血気盛んなリーゼントのにーちゃん刑事。

 僕の言う事を全く信じず、机をどんどん叩く。


 ……そこにカメラ有って取り調べが完全録画されているのに、こんな前世紀の暴力的取調べ、いいんだろうか? 他人事ながら心配しちゃうよ。


 昨今、取調べの透明化として映像撮影は必ず行われている。

 タダでさえ日本の警察機構・司法は閉鎖的だと国際批判も多い。

 異世界のウチでも、ちゃんと撮影記録しているのだから京都府警がやっていないはずはない。


 ……ちゃんと撮影しているよね? まさかフリじゃないよね?


「第一、あんな最新の拳銃(P365SAS)なんて何処から買った? 日本どころか出入りの米軍も使っていないぞ!? あと、なんだ、この身分証は? 妙なホログラムはあるは、読めない(異世界語)だわ? それにオマエ本当に成人か? 未成年じゃないのか!?」


 頭ごなしに、僕の言う事や証拠を見ずに思い込みで暴走中の若い刑事。


 ……僕が異世界では未成年に見えちゃうのは今更だけど、日本でもこうだと少しイヤになるなぁ。運転免許書すら信用されないなんて。いつになったら威厳とか出るのかなぁ? お子ちゃまリーヤさんと同じくゆっくりオトナになるしかないのかもね。


「まあまあ、水上(みなかみ)や。そこまで大声で威圧したら話すことも話してはくれんぞ」


 取調室入り口近くの椅子に座る四十路くらいの刑事が、若い刑事に苦言をする。


 ……刑事ドラマ定番の良い刑事、悪い刑事ですね。


「ふみゅう、これが定番の良い刑事、悪い刑事じゃな。此方人等(こちとら)もポータムで良く使う手なのじゃ!」


 オジサン刑事の前に、ニコニコして座っているリーヤ。

 すっかり日本の刑事ドラマな現状を楽しんでいるようだ


「ほう、おじょうちゃん。良く知っているんだな。それに、日本語も随分と上手いな。京言葉を言うのかい?」


此方(こなた)の事は、リリーヤと呼ぶのじゃ! 一応、これでも異世界帝国では領主次女じゃし、警部補やっておるのじゃ!」


 リーヤは褒めてもらったのが少し嬉しいのか、ドヤ顔で自己紹介をオジサン刑事にする。


「これはこれは。オレは大村(おおむら)。お嬢ちゃん、いやリリーヤちゃんと同じ警部補だ。今回の事件の現場責任やっているんだよ。そこの煩いのはミナカミ巡査部長。普段はこうじゃないんだが、テロに随分と気が立っているのさ」


 オジサン、いやオオムラ警部補はにっこりと笑ってリーヤに話す。


「オオムラさん! 何、そこの幼女と和んでいるんですか? その子も重要参考人ですよ! そんなコスプレ幼女の言う事信じてどうするんですか!?」


 ミナカミ、今度はオオムラに噛み付く。


 ……自分が守っている街がテロに襲われたら冷静じゃいられない。ミナカミさんの怒りや焦りも、僕は理解は出来るよ。その上、せっかくの犯人を僕達が抑えちゃった訳だし。


「いいじゃねーか。可愛い子が着飾って何が悪い? ウチの娘もこのくらいの時はパパ、パパって可愛げあったのに、今じゃパパ、キタナイだぞぉ」


 オオムラ、リーヤの頭を軽く撫で、自分が娘と上手くいっていないのを愚痴る。


「オオムラ殿、褒めて頂きありがとうなのじゃ。しかし、此方やタケの言っておる事は事実(ホントウ)なのじゃ! 警察庁警備局公安課長のナカムラ殿やそこの超常犯罪対策室長、エンドウ殿に話を通すのじゃ! もう連絡済みなのじゃ!」


 リーヤは、必死にオオムラを説得した。


「おう、えらく具体的な名前出てきたな。まさか、本当に?」

「本当なのじゃ! 此方、嘘はつかないのじゃぁ!」


 リーヤの羽と尻尾の動きが激しくなる。

 その動きは、取調室横の鏡にも映る。


 ……これ、マジックミラーなのは当然だよね。ウチでもそうだし。あれ、この気配は? マジックミラーの向こうにいるのは……! はあ、また僕は遊ばれたのね。


「オオムラさん、こんなガキ達の言う事信じるんですか? え、なんだ! その尻尾と羽は!? 作り物じゃないのか!?」


 ミナカミ、今更ながらリーヤの姿を凝視して驚く。


「すいません、オオムラさん。上から指示で、この2人を解放してとの事です」

「レイちゃん、連絡ありがとう。そういう事か。ミナカミ、どうやらオマエもオレも、この子達も遊ばれたようだぞ」


 そんな時、取調室のドアをノックして入ってきた女性署員は、僕達の開放を伝えに来たので、オオムラは彼女に礼を言って苦笑いを僕達に向ける。


 ……オオムラさん、察しが良すぎです。


「すいません、オオムラ警部補。ウチのマムに陛下がイタズラ好きなので、僕達も困っているんですよ。と言う事で、ミナカミ巡査部長。僕の手錠外してもらえませんか?」


 僕はオオムラに謝罪して、ミナカミに手錠を外すのを頼んだ。


 ……一応、手錠外すワザは教えてもらっているけど、ココで使って印象悪くする事もないよね。


「また、此方達はマムに遊ばれたのかや? 此方、カツ丼が出るのが楽しみじゃったのにぃ!」


 リーヤ、マムに遊ばれたのが分かったのか、少々不機嫌に叫ぶ。

 尻尾の踊り方が少しピンピンだ。

 刑事ドラマ定番の取調べシーン。

 今回は、タケくんとリーヤちゃんが調べられる対象になっちゃいました。

 未成年に見える子達が武装して犯人を撃破、それだと逮捕まで行かなくても身柄確保されちゃうのはしょうがないですよね。

 それに国内で拳銃撃ったら、怒られるのも当たり前ですし。

 流れ弾が一般市民に当ったら洒落になりませんから。


 さて、マジックミラーの向こうにいたのは、……。

 マムに陛下、チエちゃんですね。

 このイタズラ面子どもめ(笑い)。


「物語には、緩急もシリアスな笑いも狙ったギャグも必要なのじゃ! ワシ、日本の取調べもリアルで見たかったのじゃ。リーヤ殿にはカツ丼おごった方が良かったのかや?」


 はいはい、一々楽屋裏に来なくてもいいんですよ、チエちゃん。

 では、明日の更新をお楽しみに。


(追記)

 神谷将人さまから、リーヤちゃんのファンアートを頂きました。

 こちらもとっても可愛い上にエキゾチックな魅力のリーヤちゃんです。


挿絵(By みてみん)

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