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僕は異世界で美幼女姫様と刑事をする。〜異世界における科学捜査の手法について〜  作者: GOM
第6章 捜査その6:日本ドタバタ観光編

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第3話 新米捜査官は、魔神将に弄ばれる。

「うふふ。今日は食べてくれるかしら」


 ここはポータムの異界技術捜査室。

 そして今は夕方、マムは業務終了時間を待ち遠しくしている。


「マム、フェア君と何かなされるのですか?」

「ええ、今晩わたくしがカレーライスをフェアに作ってあげるの!」


 マムの卓上には「王子様」ブランドのルーが置いてある。


「地球人向けスーパーで買われたのですね」

「ええ、他にも特殊な野菜や調味料を頼まれているの。陛下が欲しいんですって。後はガスコンロやIHコンロが欲しいらしいから、それは今度買う予定なの」


 僕達が帝都を離れる前、少年皇帝のたっての願いで僕は城内調理室で料理教室を行った。

 といっても、素人に毛が生えたレベルの僕。

 地球、日本料理の基本たる出汁や西洋料理のフォンの取り方、使い方を伝授した程度だ。

 他には陛下が喜んだレシピを印刷して渡したのだ。


 ……周囲にいる強面(こわもて)の魔族のオジサマ達の視線がとっても怖かったです、はい。


「では、陛下もマムの帰りを待っている訳ですね」

「ええ、さすがに陛下は神殿には直接は来ていないのですけど、アレクさんは毎日でも来てますわ」


 すっかり舌を肥やした少年皇帝。

 その宮廷料理が、貴族社会、そして民衆の方々まで広まり、皆で美味しい食卓を囲むようになって欲しい。

 それが僕の夢のひとつだ。


「マムにタケ、2人ともご機嫌なのじゃな。何か良い事でもあったのかや?」


 リーヤは僕達の中に割り込んでくる。


 ……僕のもう一つの夢、それはリーヤさんとずっと一緒に居る事。


 僕は、ちょうどリーヤの事を考えていた時に彼女を見て、少し狼狽する。


「い、いやー。別に何もないよ。マムは、これからお家に帰ってフェア君とカレーパーティだって」

「それは楽しそうなのじゃ。マムや、存分に楽しむのじゃ! しかし、タケや。どうして顔を赤くしているのじゃ?」


 ……えー、僕赤面なんてしているの? 困ったぁ。


「うふふ。タケちゃんは、好きな子の事を考えているのよ。そうね、タケちゃん?」

「まむぅぅ、からかわないで下さいよぉ」


「タケや、其方(そなた)の初恋の人は誰じゃ? そして今好きなのは此方(こなた)なのか? それとも別に居るのかや? まさか、リタ姫かやぁぁ!」


 マムに、また遊ばれた僕達であった。


  ◆ ◇ ◆ ◇


「今回、皇帝陛下より帝都動乱を鎮圧したわたくし達に褒美が贈られています」


 マムがカレーパーティを息子(フェア)とした翌朝、僕達は驚きの報告をマムから受けた。


「なんと、10日間の休暇と慰安費を頂きました。またわたくし達が休暇中のポータムの警ら(けいら)活動に問題がないように、中央から騎士団を派遣してくださるそうなの」


 えらく大判ぶるまいの陛下である。


「そして休暇の使い方として旅行案内の方も斡旋してくれたの」

「そうなのじゃぁ! と言う事で、旅行ガイドのチエちゃん登場なのじゃぁ!」


 マムの発言と同時に空間跳躍してくる魔神将(アークデーモン)チエ。

 今回は、ご丁寧にもバスガイドのコスプレだ。


「では、ガイドさん宜しくね」

「マム殿、了解したのじゃ!」


 もう気にしない事にしているのかマム、チエが突然現れた事も服装にも突っ込まない。


「では、ガイドのワシから説明するのじゃ! 今回の休暇旅行、時間と資金を最大限生かす為にワシが全力で協力する事になったのじゃ。目的地は、地球は日本。東京観光にワシの実家ツアー、更に西日本観光とタケ殿の実家訪問じゃ!」


 いきなりとんでもない事を言い出すチエ。

 その発言内容に皆、ぽかーん状態だ。


「チエさん、日本旅行もバスガイドのコスプレも、今更どうでも良いです。何で僕の実家訪問までツアーに入っているんですかぁ!!」


 僕の突っ込みにシラっと返すチエ。


「そんなの面白いからに決まっておろう。リーヤ殿、タケ殿の母上にお会いしたいじゃろ?」

「はいなのじゃ! 此方、是非ともタケのご母堂にご挨拶したいのじゃぁぁ!」


 すっかりリーヤを味方につけたチエ。

 こうなってしまえば、僕が何を言おうと変わらない事実だろう。

 なら、せっかくの里帰り、ロハ(無料)で帰られるのなら気にしないでいくべきだろ。


 ……でも絶対、面白がって遊ばれるんだろうねぇ、僕は。

 〝そんなの当たり前なのじゃ! タケ殿も遊びがいがあるのじゃ。ワシ、また面白い玩具見つけたのじゃ。これだから、人間観察はやめられないのじゃ!!〟


 僕の内心呟きにまで干渉してくるチエ。

 もうどうにでもなれと言う感じだ。


「では、皆さんには検疫と疫病対策にワクチンを打って頂かないといけないですわ」


 キャロリンが医療関係者としての発言をする。

 10年前に地球で流行したウイルス、そして数々の疫病。

 それらは異世界人には毒性が高い。

 ヒト族には、古代一緒に地球から持ち込んだウイルス等でそれなりに免疫を持つ者も多いが、他人種では感染の危険性が非常に高い。

 もちろん逆もしかりである。


「それは問題ないのじゃ。ワシが母様(かあさま)経由で持ってきておる。医務室の冷蔵庫に置いておいたから、キャロ殿が処置するのじゃ!」


 どうやら、チエにとっては全て最初から想定内の事らしい。


「ダテにワシは知恵(チエ)の魔神将と呼ばれておらぬのじゃ。『第四の壁』の向こう側のバカの考えくらい読めるのじゃ。先手を打つのじゃ!!」


 チエ、また訳の分からない言葉を言うが、この悪魔の言う事は間違いないから信じておくべきであろう。

 ただ、イタズラ心は一杯なので、それなりに警戒は必要であろうが。


「そうそう、ワシには悪意は無いがイタズラはするのじゃ!! 楽しみにして居るのじゃ!」

此方(こなた)も楽しみなのじゃ!!」


 妙に結託している観がある美幼女2人。


「今度は拙者もターゲットなのでござるか。くわばらでござるよぉ」


 ……ヴェイッコ君、僕らはもう逃げられないんだよ。このとてつもない深い沼からね。(苦笑)

「つじつま合わせにワシ使うのは、イイ加減にするのじゃ! そりゃワシは便利じゃが、キャラを食いつぶすぞ」


 はい、注意しますです。

 なので、リーヤさんを宜しくです。


「分かったのじゃ。ヒロインらしく可愛く仕上げて見せるのじゃ!」


 チエちゃんに、おんぶに抱っこの作者でした。

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