25
ブックマークや評価ありがとうございます。
少し短めで済みません。m(__)m
【契約者エリザから感情値1000カナ獲得した】
【契約者マリーから感情値1000カナ獲得した】
【第10位悪魔、本年の納値分に感情値が達しました10万カナ納値しますか? Y/N】
いつもの無機質な声が頭に響き目を覚ました。部屋の中はまだ暗い。朝5時くらいだろう? 今日の俺はやけにスッキリしている。
――納値? ……ああ……そうだったな。悪魔の義務だったな。
今日の俺は調子がいいからな……yesだ。納値しとこう。
【本年分の10万カナを納値しました】
――はいよ。
【では、第10位納値のお礼品は"使い魔の卵1コ"または"悪魔界産=蕩ける絶品お肉10キロ"のどちらかです。ご選択ください】
――ぶっ!! お礼品なんてあるのか。ふるさと納税みたいだな……
それで1つ目が、使い魔の卵か、そういえばラットから手が足りないって聞いてるしな……今だって薬師ギルドに置いてきた、幌馬車を見張ってくれている……ふむ。
2つ目が、蕩ける絶品お肉10キロ…………むむむ、蕩ける絶品って、なんて良い響きだ。食べてみたいぞ……ん? 悪魔界産ってこれ、何の肉か分からんのか……そうなると……怖いな……
よし、考えるまでもなく使い魔の卵だ。使い魔の卵を頼む。
【使い魔の卵ですね。ありがとうございます】
――………
そう無機質な音声が響くと、俺の手の中にピンポン玉サイズの黒い卵が出現した。
――うおっ!? びっくりしたじゃねぇか。
【なお……】
――まだ、何かあるのか?
【更に本年中に20万カナを追加納値しますと、第9位へと昇格できます。納値しますか? Y/N】
――第9位ねぇ……ん~いいや、別に困ってない。このままでいいぞ。
【……昇格を保留にしました】
――ふぅ。でも使い魔の卵か。何が生まれるんだっけな? 記憶にないが……
まあ、俺が魔力を注げば2、3日で孵化するだろうことは分かるから…………おっ、そうだ。
せっかく珍しい使い魔の卵を手に入れたんだ。エリザとマリーにも見せてやるか!!
「よっとっ…………ぃ!?」
俺は上体を起こして隣にいる二人を見て吃驚した。
妻たちは全裸。これは当たり前だが、格好が……説明できない。恥ずかしい体勢のままぐったりしている。
――ぁぁぁ……
これは間違いなく俺のせいだろう。
しかも時折、ぴくぴくと痙攣も見られ、口も半開きで(これ以上の説明はNG)。
――ぁぁぁ……うっ、嘘だろ……
今回、俺の暴走は相当酷いものだったらしい。部屋中を見渡してもその凄さが分かる。
――不味い、不味い、不味い……
「落ち着けぇ、俺。落ち着けぇ、俺。はぁ、ふぅぅ、はぁ、ふぅぅ」
――二人には……と、とりあえずスキャン?
「…………」
ーーああぁぁぁ!? ………やっぱりぃぃ、健康状態が、半壊ってっ!!
「エリザァァァ!! マリィィィ~!! 誰がこんな目に~」
――って俺だよ……いかん!! かなり動揺している……
俺は慌てて妻たちに手を当て回復魔法ではなく、所望魔法を施し身体の状態を正常まで戻した。
ほら、後遺症とかあったら嫌だし……
「すぅぅ~」
「すやすや」
二人は弱々しい息づかいから、気持ちよさそうな息づかいへと変わり、今は寝息を立て始めた。
俺はホッとしつつ、部屋中にクリーン魔法を掛ける。
――証拠隠滅?
「しかし、危なかった。もう少し自重せねば……」
安心した俺は妻たちが起きるまでゆっくり横になることにした。
「んっん~」
「ふわぁ~」
窓から日の光が入る頃に妻たちは目を覚ました。前世の感覚では8時くらいだろう。二人にしては遅めの起床だな。
エリザとマリーが上体を起こし、ゆっくり両手と背筋を伸ばした。当然、全裸なので妻たちはおっぱいをぷるんぷるん揺らしている。
非常に喜ばしい光景なのだが、今は……
「や、やあ! お、おはよう。よく眠れたか?」
俺は何事もなかったように上体を起こし二人に朝の挨拶をした。
「「クゥゥロォォォォ!!!!」」
その後珍しいことに、俺は妻たちにみっちりお叱り受けた。
死にそうになったそうだ。すまん分かってる。半壊していたもんな。これは反省だ。二人に何かあったら嫌だし、俺が落ち込む。
とりあえず誠意を見せて正座をしよう。
えっ、ハッスル時間も長すぎ? ……壊れる? ふははは、それは笑って誤魔化した。
でも二人とも、まだ全裸だよ。分かってるのか?
いくら頬を膨らませて怒っても……可愛いだけ。
全裸の前屈みで俺の鼻に人差し指突き付けられても……おっぱい眼福です。
そう、目の前で妻たちの豊満なおっぱいがゆらゆらと揺れているんだ、気になって俺の耳になんて入らないんだよ。
逆にそのゆらゆらを眺めて癒されてしまったぞ。
――ふむ。妻たちは今日も元気そうだ……
「ところで、さっきからクローが手に持っている、その黒くて丸い物は何?」
「ああ、これか……これは卵だ」
「「えっ!?」」
ーーおいおい、二人して何故、自分のお腹見る。
「……つ、使い魔の卵だ。悪魔界から届いたんだ」
「そ、そうなんだ」
「そ、そうなのね」
――何故、そこで肩を落とす。二人とも卵生めないからな。
「2、3日すれば孵化すると思うから楽しみにしてるといいぞ」
「そうね」
「うん」
まだ、妻たちは肩を落としているが、こればっかりは仕方ないことだよ? 卵だよ、分かってるのかね?
「それより、今日は薬師ギルドに行って幌馬車を回収して、ギルドに向かうぞ。依頼の報告済ませよう」
「うん」
妻たちが着替えるのを待ち、部屋で朝食をとると、薬師ギルドに向かった。
「あれれ、男の人が馬車の前に倒れてますね?」
「ああ、そうだな」
――どういうことだ?
「何でしょうか?」
幌馬車の側まで歩くと、周りにはガラの悪い男が1人ではなく5人も倒れていた。息をしてるので、死んでるわけではなさそうだ。
不思議に思い御者席を見ればラットは丸まってコロコロ一人遊びしていた。
――ふむ。
『ん? 主』
俺に気付いたラットは俺を見上げながら、スックと二足立ちしたかと思うと、短い手を胸に当てた。
どこで覚えたのだろう? 俺の記憶か?
『何かあったのか?』
俺は視線を倒れている男たちに向けラットに尋ねた。
『ん、そいつら……主の物(幌馬車)……盗もうとした。主の魔法……使って眠らせた』
『なるほど。そういうことか、偉いぞラット。よく守ってくれた』
ようやく状況を理解できた俺は、頑張ってくれたラットの頭を優しく撫でてやった。
ラットは嬉しそうに目を細めている。
『そうそうラット。使い魔の卵が1コだけだが手に入ったぞ。これで使い魔が増える。
2、3日で生まれるだろうからその時は、お前の後輩として面倒を見てやってくれ、頼むぞ』
『主、任せる……後輩……嬉しい』
ラットは本当に嬉しそうにくるくる、コロコロ回っていた。
この反応からも、どうやら俺はラットに相当無理をさせていたのだろう。
そう思うとラットが少し不憫に思え少し大きめのチーズをやった。
『ラットもう良いぞ。用がある時に呼ぶから休んでろ』
『わかった』
ラットはチーズを幸せそうに掴み引きずりながら幌馬車の後ろへと入っていった。
「エリザ、マリーも乗った乗った。そいつらはこの馬車を盗もうとしていたようだ。ラットのお陰で被害もない、そのまま放っておけばいいぞ」
「ふーん。盗人だったのね。どうりで人相が悪いと思ったわ」
エリザが倒れている男性の顔を、しかめ顔で見ていた。
「この幌馬車手頃そうだもんね。欲しくなったんだよ」
妻たちが俺の隣に腰掛けるのを確認するとハンターギルドに向け馬車を進めるも――
――ん?
すぐに、ある看板が目に止まった。
「ここは……」
そこは、わりとお洒落な感じのする服屋だった。女性専門店と看板に書いてある。
――服屋、か……はっ!?
そこで初めて、俺は妻たちに服どころか下着すら買ってやってないことに気がついた。
――俺って夫として最低? 悪魔としてできる夫を目指していたのだが、こ、これは、かなり不味い?
俺は思考の渦の中、一人勝手に焦りを感じた。
俺は悪魔大事典の中ではずっとジャージ姿だった。着替えたことはない。ずぼらのうえ、服装に無頓着。
今でこそジャージから、旅人の服装へ変えているが、いつもクリーン魔法でキレイにしていたので、着替えを必要とせず、何とも思わなかった。
だが妻たちは違う。年頃の女性だ。エリザに至っては元貴族。着たい服だってたくさんあるんじゃないかと思ってしまったのだ。
「あれ!? クローどうしたの顔色悪いよ? 調子悪いの?」
「もしかして……私たちが朝に怒ったから?」
妻たちは俺の顔を心配そうに覗き込んできた。マリーは俺の額に手を当て体温を測ろうとさえしてくる。
「ち、違うんだ。そのなんだ……エリザッ! マリーッ! 二人の服を買おう!!」
「えっ? 突然どうしたの?」
「ほら、丁度そこに女性用の服屋が見える。好きなものを買っていい」
「クロー、急にどうしちゃったの?」
「ん、まあ、褒美だよ。二人はいつも俺を癒してくれる。そのお陰で今日はいつも以上に快調なのだ」
――主に夜……
「えっ、でも……それは当たり前のことで……」
「いいから行ってきな。お金ならそのガントレットに入れている。それでも足りなければ外で待ってる俺に声を掛けてくれ」
エリザとマリーはお互いチラチラと服屋の方を見ているが、なかなか店に行こうとしない。興味があるはずなのだが何故だ?
「……でも、クローはこの服が眼福って……言ってくれましたわ」
エリザが丈を掴みもじもじして、嬉しいことを言ってくれているが……エリザよ……パンツ丸見えだぞ。
「ふ、ふむ。その服は確かに眼福だった。でもな、俺は他の服を着たエリザの姿も見てみたい。
マリーもだ。着飾ってくれると俺はもっと癒される。だから……な?」
「クローは……見てみたい……」
「わたしがクローの癒しに……」
「「分かった(わ)(ました)」」
その後、気合いの入った二人に、クローはお昼まで待ち惚けとなったのだが、おっぱいをたゆんたゆんと揺らしながら出てきた二人を見て、行かせて正解だったと口元を緩め妻達に手を振った。
エリザは似たような膝上10㎝のワンピースとブーツだった。すらっと長くてキレイな脚がよく見える。
生地はサラサラで手触りが良い物になり、襟ぐりが深いので谷間がより、強調されていた。
どうやらエリザは元貴族で胸元の深いドレスばかりを着ていたのでその名残のようだ。走ったらおっぱいが溢れそうである。
――すごくいい。
マリーは膝下10㎝の普通のワンピースにブーツだった。丈が長めで正直少し残念だ。
生地はエリザと同じくサラサラで手触りが良い物だが、襟ぐりは普通(でも谷間は普通に見える)。
これも、少し残念だなと思っているとスリットが腰の辺りまで入っていた。
程よく引き締まった太ももがチラチラ見え眩しいうえ、見えた時の高揚感が何とも言えない。
何でもスリットが入ってる方が動きやすいんだと、マリーは照れながら教えてくれた。
――ふむ。これもいい。
【感情値 2千カナ増】
【感情値10万カナ減】
――――デビルスキャン――――
所属 悪魔大事典第29号
格 ランク第10位
悪魔 ナンバー960
名前 クロー
性別 男性型
年齢 23歳
種族 デビルヒューマン族
固有魔法 所望魔法
所持魔法 悪魔法
攻撃魔法 防御魔法 補助魔法
回復魔法 移動魔法 生活魔法
固有スキル 不老 変身 威圧 体術 信用
攻撃無効 魔法無効
所持スキル デビルシリーズ
契約者 エリザ マリー
所持値 1,189,300カナ↓
使い魔 ラット(ネズミ)
――――――――――――――――――




