95.お父様の同僚たち
新年パーティーも終盤になり招待客もまばらになって来た頃、お祖父様とお祖母様が私達の元へやって来た。
「どうだ?楽しんでいるか?」
と、お祖父様が私を抱き上げる。
「はい、お祖父様。」
「今から、ラウンジで元団員のメンバーと話すんだけど、あなた達もどうかしら?」
「「「行きたい!!!」」」
ジーン兄様、ヴィー、私が声を揃える。その後ろで、ノエル兄様とアラン兄様が頷く。
ーーーラウンジにて。
パーティールームの近くにあるラウンジには、既に6人の男性と2人の女性がお父様とエイブさんと談笑をしていた。お父様はラウンジに入って来た私達を見つけると、満面の笑みで手招きをする。
お祖父様達と共にお父様の元へ行く。
「みんな、改めて紹介するよ。ウチの両親は大丈夫だよね?では、こちらから長男のノエル、次男のジーン、ジュリエッタの所の長男アランドルフ、次男のヴィンス、そして私の食べちゃいたいぐらい可愛い天使のジョアンだ。」
お父様…かなり酔ってますね。後で、怒られるわね。既にお祖母様の目が笑ってない…。
ノエル兄様達が挨拶をし、最後に私がカーテシーで挨拶をする。すると、大柄な男性から挨拶をしてくれる。
「私は、ドミニク・ディーゼル。元魔物討伐団団長で君達のお父さんの上司だったんだ。これは妻のレティ・ディーゼル。宜しくな。」
スキンヘッドに茶色の瞳の身体も声もが大きい男性はお父様
の上司だった。
隣にいる女性から、二の腕をつねられ…。
「これって言い方は、何よ!…あら、ごめんなさい。
レティ・ディーゼルよ。元魔術師団団長であなた達のお母様の上司だったの。ウチの子供達も連れて来れば良かったわねぇ。」
レティは長い黒髪に薄灰の瞳の綺麗な女性で、確実にドミニクより強いと思われる。
そんなディーゼル家にも子供が3人いて、1番下がジョアンと同じ年らしい。
「私はブライアン・ウォーカー、君達のお父さんの部下だったんだよ。よろしくねー。」
クルクルの薄茶色の髪に同じく薄茶色の瞳の童顔の男性。
「俺はヘクタール。俺も部下だよ。お父さんは仕事だとスゴいしっかりしてて、怖かったんだぜ。」
緑色の短髪に黒色の瞳の小柄な男性は人懐っこい笑顔で言う。
仕事の時だけしっかりしてたのか…。
「わ、私はルーク・ジョンソンです。以前はスタンリー様の部下で、現在魔物討伐団団長をしております。よ、宜しくお願いします。」
黒髪の短髪、濃茶色の瞳、褐色の肌の男性は、緊張しているようで全然目が合わない。
「ルーク、固すぎるよ。いくら人見知りだからって……。あっ、ごめんな。俺はジェイコブ。このルークと同じでスタンリー様の部下で、今は魔物討伐団副団長をしてるんだ。よろしくな。」
濃灰の長い髪を後ろで縛り、緑色の瞳の細身の男性はルークを揶揄いながら挨拶をする。
「私はミアです。元魔術師団でマーガレット様の部下でした。あぁ〜マーガレット様のお子様に会えるなんて、神様ありがとうございますぅ。」
橙色の髪をアップにし、桃色の瞳の可愛らしい女性は挨拶をして、天に祈りを捧げている。
「ミアがごめん。こいつ、マーガレット様が大好きで。あっ、俺はハリー。元魔術師団員で俺はジュリエッタ様のチームで部下だったんだ。よろしくねー。」
水色のセミロングの髪に、紺色の瞳の男性。聞けば、ミアの旦那さんだった。
みんなの自己紹介が終わった頃、招待客を見送り終わったお母様とジュリエッタ叔母様、ギルバート叔父様、飲み物や軽食を運んだグレイとナンシー、そして以前魔物討伐団の同僚だった私兵団のうちエルさん、ダイさん、マツさん、ウーサさんが合流した。
お互いに近況報告をして、場が和んだ頃。
「あのぉ〜、お父様とお母様はお仕事の時どんな感じでしたのか教えて下さい。」
と、聞いてみた。
「あっ、はい、俺も母上の仕事の事聞きたいです。」
と、ヴィーが手を挙げる。
「そんな面白い話なんてないぞ?」
と、お父様は言う。
「いや、色々とあるだろう?ルフバードに鷲掴みされて連れて行かれたり、野営をしていたら周りをゴブリンの群れが囲んでいたりな。」
と、ドミニク。
「「「「「「「「「あぁーー。」」」」」」」」」
スタンリーを始めとする魔物討伐団関係者が思い出し、苦い顔をする。
「ありましたねぇ〜。スタンリー様はよくゴブリンの雌に追いかけられてましたしね。」
と、ヘクタールが言う。
「あったなぁ〜。そんなこと、思い出したくもない。」
と、お父様。
「そうですよねぇ〜、ゴブリンはなんてたってーー」
「「「「「臭い!!」」」」」
そんなに声を揃えるほど、ゴブリンって臭いのかしら?そんなゴブリンの雌に追いかけられるお父様。
ふふふっ、モテモテねぇ〜。
「ジョアン、ゴブリンにモテモテでも嬉しくないよ。」
「あっ、声に出てました?えへへ。」
「魔術師団も遠征とかあるんですか?」
「そりゃあ、あるよ〜。よく魔物討伐団と一緒に遠征しましたよね〜。」
と、ハリー。
「あったわねぇ〜。魔物討伐団が前衛で魔術師団が後方支援だから。そう言えば、ワイバーンの時よね?スタンリー様とマーガレットが仲良くなったのって。」
と、レティ。
「なっ、なぜそんな事覚えているんです?」
お父様は慌てる。
「うふふ、そりゃ覚えているわよ。魔物討伐団と魔術師団の混合チームを組むのに、夫からスタンリー様とマーガレットが一緒になれるようにってお願いされたんだから。元々は、ランペイル兄妹で組む予定だったのよ?」
と、レティが裏話をすると、お父様とお母様が顔を赤くして2人で俯く。
「じゃあ、レティ師団長様のおかげですね。ありがとうございます。」
と、私がお礼を言うと…。
「まぁあ、結果的にそうなるわね。ジョアン様、私の事は師団長と付けなくて良いのですよ。あっ、そうだ。ジュリエッタと同じ呼び方でお願いします。」
ジュリー姉様と一緒ってことは
「わかりました。では、レティ姉様。私のことも様付けなして呼んでください。」
「「「レティ姉様〜!?」」」
「ジュリエッタ?あなた、姪っ子になんて呼び方をさせているのよ。叔母でしょ?」
と、レティ。
「えーだって、妹も娘も欲しかったからぁ。良いじゃないですか。」
と、ジュリエッタ叔母様は口を尖らせる。
「はぁ〜。えーっと、ジョアンちゃん。私のことは、レティ小母さんでいいですから。」
「あっ、はい。わかりました。レティ小母様。」
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