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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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94.新年パーティー

いつも読んで頂きありがとうございます。

今日の新年パーティーで、私は初めて家族以外の貴族と会う。

今は、パーティーに向けてサラに着替えさせてもらい、髪の毛をセットしてもらっている。


お祖母様は近隣の伯爵、子爵、男爵って言っていたわねぇ〜。

同じぐらいの年の子いるかしら?いたら友達になれたら良いわねぇ〜。

「はい、出来ましたよ。ジョアン様。」

「サラ、ありがとう。…どっこらせっと。」

着慣れないドレスが重く感じる。

「ばばあ。」

声のする方をみると、いつもとは違うヴィーが扉の前で立っていた。

「わぁ〜、ヴィー格好いいね。」

「お、おう。首が苦しいけどな。ジョアンもちゃんとすると貴族令嬢だな。」

そう言って、照れ隠しなのかネクタイを緩めようとする。

「失礼ね。いつもどっからどう見ても貴族令嬢でしょ?」

「貴族令嬢は走らねーし、啖呵を切らねーよ。クククッ。」

「……。」

んー、事実だけに言い返せないわ。

このドレスだって、動き難いから正直着たくないものねぇ〜。


「で、準備できたのか?」

「うん、できたよ。」

「じゃあ、行くぞ。みんな待ってるぞ。」

「ん?…あっ、迎えに来てくれたの?」

「あぁ、俺がエスコートしてやる。」

まぁ、偉そうね。

「うふふ、ありがとう。ヴィー。」



ヴィーにエスコートされ、みんなの待つリビングに行く。既に、みんな揃っていた。

「お待たせ致しました。」

「大丈夫だよ。さぁ、おいで私の可愛い天使。」

お父様が両手を広げる。


ドレスに慣れない為に、走れないのでゆっくりと歩きお父様の元へ行く。抱き上げられ

「今日は、一段と可愛いね。早く皆んなに見せてやりたいよ。」

「ありがとうございます、お父様。今日は、飲み過ぎないで下さいね。」

「「……。」」

お父様とギルバート叔父様が目を逸らす。

「うふふ、大丈夫よね?あ・な・た。」

と、お母様も念を押す。

「……はい、気をつけます。」



新年パーティーが始まり、多くの招待客がパーティールームに集う。

私はお父様とお母様の隣にノエル兄様達と共に立ち、代る代る挨拶に来るのを迎えていた。


お、お客様が多すぎるわ…。

必殺の営業スマイルが引き攣ってきたわよ。

こんなに長い時間いつぶりかしら?…仕事していた時の初売り以来かも知れないわねぇ〜。


「ジョー、大丈夫?」

ノエル兄様が心配して小声で聞く。

「はい、なんとか大丈夫です。」


挨拶に来る招待客がいなくなり、私達はようやく解放される。

「疲れた〜。」

「あはは、ジョーは去年まで挨拶免除されてたから、今年が初めてだもんな。」

と、ジーン兄様が言いながらドリンクを渡してくれる。

「ありがとう、ジーン兄様。」

「でも、これからが大変だよ。見てごらんよ周りを。」

そうノエル兄様に言われて見回すと…。

先程挨拶に来た、貴族達がこちらのようすを窺っている。

「えっ?何か怖いんですけど…。」

「毎年そうだよ。表向きは俺たちと仲良くなりたいってやつで、本心はランペイル家と繋がりたいってやつ。」

と、ジーン兄様が説明する。

「え〜っと、それは婚姻的な形で?」

「それもあるし、僕達の友達となれば色々と優遇されると思うからだろうね。今年はジョーが初めて参加しているから、たぶんジョー狙い。」

と、ノエル兄様。

「あぁ〜そういうこと…。ちなみに、あの中から選ばないといけないとか?」

「「それはない!!」」

2人の声が揃う。

「だからなるべく、僕らから離れないようにね。」

と、ノエル兄様が頭を撫でながら言う。

「はい、わかりました。」



そう言っていたのに…なんでこうなるかな?

あれか?アニー特製のフィナンシェのお代わりを取りに勝手に動いたから?

じゃあ、私の自業自得じゃないの。…お兄様たちに怒られるわねぇ〜。はぁー、色々と面倒くさい。


私は何人かの子息や令嬢に囲まれていた。

好きなものは何か、普段は何をして過ごしているのかなど話から、婚約者はいるのかなど少々突っ込んだ話まで。果ては、ノエル兄様やジーン兄様のプライベートのことまで聞いてくる令嬢もいる。それらの質問を、ジョアンは笑顔でのらりくらりとかわしていた。


あぁ〜面倒くさいし、お兄様たちのプライベートなんて直接本人に聞きなさいよ!

それに、何が嫌って、この子達の後ろにその親がこちらをチラチラ見てる状況が嫌だわ。

しかも、私の方が背が低いから囲まれて圧迫感が…。


そう考えていると、フワッとした浮遊感があり目線が高くなった。私を囲んでいた令嬢は顔を赤くしている。


「申し訳ない、そろそろジョアンを返してもらうよ。」

「あっ、アラン兄様。」

「ジョアン、ノエル達が心配して探していたよ。一緒に行こう。」

「はい。…皆様、申し訳ありません。失礼します。」


私を囲んでいた子息や令嬢は、突然のアラン兄様の登場に驚く者、見惚れる者、ただ呆然とする者に分かれたが、全員が何も言えずただ去って行く私達の後ろ姿を見送っていた。



「はぁ〜助かった〜。」

「僕たちから勝手に離れるからだよ。」

と、ノエル兄様に言われて

「ごめんなさい…。それから、ありがとう。アラン兄様。」

「もう、離れるなよ。」

そう言って、私の頭をポンポンする。

「は〜い。」

「「返事は良いんだけどなー。」」

と、ジーン兄様とヴィーが言う。

「で、どうだった?友達になれそうな子いた?」

と、ノエル兄様が聞く。

「あの中には…いないです。いかにも親から言われて来ましたって感じだし、後ろで親がチラチラみてるし…なにより笑顔が胡散臭い。会話も言質を取られないようにしないといけないし…。」


「「「「あぁ〜。」」」」


「クククッ。きっと、ジョーが普通の5才児なら上手く取り込めたんだろうな。」

と、ジーン兄様。

「まぁ、友達は学院に行ってからでも遅くないから焦る必要はない。」

と、アラン兄様。

「俺も来年いい友達できっかなぁ〜。」

と、不安そうなヴィー。



はぁ〜友達を作るにも色々と考えないといけないなんて、本当に貴族って面倒くさいわねぇ〜。

サラやアニーも、孤児院の子達も私は友達と思っているけど、あちらからしたら貴族の娘を友達とは思わないわよねぇ〜。

お互いに心から友達って呼べる人、出会えるかしらねぇ〜。




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