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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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92.鬼神現る

一夜明けて、新しい年になった。

私はいつも通りに起き、これまたいつも通りに厨房へ向かう。


向かう途中、パーティールームを覗くとアルコールの匂いが充満している。よく見ると、あちらこちらに人が倒れて、いや、爆睡している。

「はぁ〜、どんだけ呑んだのよ。」

腰に手を置き、ため息をつく。

「おはようございます、お嬢様。今年もよろしくお願いします。」

と、ナンシーから声がかかる。

「あっ、ナンシー。おはよう。今年もご指導よろしくお願いします。」

「うふふ、はい、かしこまりました。…まずは、これをどうにかしないといけませんね。」

ナンシーから笑みが消え、真顔になる。


あっ、コレはヤバい。

ナンシー鬼神モードだわ…。


チラッと寝ている人を確認する。

お父様、ギルバート叔父様、グレイ、エイブさん、アーサー、ベン、エルさん、ウーサさん、ダイさん、マツさん、アッシムさん、ヒロさん、キラさん、マイク。

あっ、ダメだ。コレは誰も勝てないやつだ…。

ん?エイブさん、アーサー、ベン?じゃあ、厨房にアニーだけ?

ヤバい、朝食が滞っていたら、お母様やお祖母様まで鬼神モード突入じゃない…。さすがに三鬼神はヤバすぎるわよねぇ〜。


「あっ、あの、ナンシー?私、厨房でアニーを手伝って来るね。」

と、言い残し厨房へ急ぐ。

お父様たち、ファイトー!

でも、自業自得だから諦めてーー!


パタ、パタ、パタ…。ガチャ。


「おはよう、アニー。」

「おはようございます、ジョアンちゃん。良かったー、1人でどうしようかと思ってたんです。」

「だよねー。エイブさんもアーサーもベンもパーティールームにいたもの。」

「えっ?パーティールーム?どうしてですか?」

「泥酔で寝落ち。」

「あぁー、やっぱりですか。私が下がる時に、ヤバいかな?と思ってたんですけど。起こしに行かないといけないですよね?」

「あっ、大丈夫。起こしてくれる人がいるから。」

「誰が起こしてくれるんですか?」

「えっと、ナンシー。」

「あっ…。それは…怒ってますよね?」

「うん…。かなりね。…ともかく、朝食作らないとお母様たちまで怒ることに…。」

「あっ、そ、そうですね。急ぎましょう。2人でいけますかね?パンは昨日の残りがありますけど。」

「フレンチトーストとサラダと卵料理のワンプレートにしよう。でも、ん〜ちょっと、キツいかな?じゃあ、助っ人を呼ぼう!」


ガチャ。


スゥーー。

「サーーラーー!!」


シュタッ。


「はーい、ジョアン様。お呼びですか?」

えっ?どっから現れた?

忍びなのか?ってぐらいに早いわねぇ。こんなに広い屋敷なのに…。

「忙しいところ、ごめんなさい。朝食の準備の手伝いをして欲しいの。」

「あっ、もしかしてエイブさんとかパーティールームにいたりします?」

「うん。たぶん、あの状態だと使い物にならない。」

「ですよね〜。お手伝いします。」

「ありがとう。じゃあーーー」

「大きな声出してどうした?」

と、アラン兄様。

「あっ、アラン兄様。おはようございます。今年もよろしくお願いします。」

「あぁ、今年もよろしくな。で?どうしたんだ?」

「あっ、ちょっと朝食の準備が滞っていて…。」

「もしかして、パーティールームのやつか?」

「見ました?あそこに料理人が3人いて、アニーと私だけだと間に合いそうになくて、今サラを呼んだところだったんです。」

「じゃあ、俺も手伝うよ。」

「えっ!?どこか行く予定だったんじゃ?」

「いや、朝練から戻って来たところ。ちょっと着替えて来るから。」

そう言って、客室の方に行くアラン兄様。



「よし、ともかく人員は確保した。頑張ろう!」

「「おーー!!」」

3人で朝食の準備を始めていると…。


ガチャ。


「ジョー、来たぞー。」

と、ジーン兄様。その後ろにノエル兄様、アラン兄様、目を擦るヴィーがいる。


「「「えっ!?」」」


「もしかして、みんな手伝いに?」

「あぁ、暇そうにしていたから連れてきた。」

と、アラン兄様。

「まぁ、僕は読書してただけだから良いけど……。」

と、ノエルが言いながらジーンとヴィンスを見る。

「俺らは起こされた。なぁ。」

と、ジーン兄様が言うとヴィーが頷く。

「あはは。ありがとうございます。じゃあ、ジーン兄様と、ヴィーはサラダを、アラン兄様はパンケーキを、ノエル兄様はオムレツを皿に盛り付けてもらえますか?」


「「「「了解!」」」」


皆んなの頑張りもあり朝食に間に合わせる事が出来た。



ーーーモーニングティータイムにて。


朝食の時にいなかった、お父様とギルバート叔父様の話になる。

「お父様たちは大丈夫なんですか?」

「えぇ、二日酔いみたいよ。お義父様もお義母様もいらっしゃるのに。本当に申し訳ありません。」

お母様がお祖父様達に謝る。

「あら、マーガレットが謝ることじゃないわ。いいのよ、アレは放っておけば。」

朝の事を聞いたのか、お祖母様も御立腹のようだ。

「本当に、お兄様もそうだけどギルも調子のりすぎなのよ。」

ジュリエッタ叔母様も御立腹だった。

「父上たち、ジョーが寝たあとアラン兄に色々とカクテル作らせて呑んでたからなぁ〜。」

と、ジーン兄様。

「えっ、そうなの?俺が寝た後かな?でも、俺が寝るまではエールとワイン呑んでたよ?」

と、ヴィー。


あぁ〜チャンポン状態なのね…。

そりゃあ、泥酔するし床の上で寝て、二日酔いにもなるわよ。

異世界(こっち)でも、年越しパーティーで羽目を外す人っているのねぇ〜。

私のスキルの水飲んだら治ると思うけど…お祖母様たちを見てると、飲まさない方が良いかもしれないわねぇ。これで治るとわかって、また同じ事繰り返す気がするしねぇ〜。

まっ、自業自得だしねぇ〜。





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