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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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85.街へ in 屋台

今年も色々と夏祭りがなくて、屋台飯が食べれない…。

早く、終われコロナ!!

ジョウ商会を出ると

「なぁ〜、何か食べようぜー。」

ジーン兄様が言う。

「俺も何か食べたい!!」

と、ヴィーも言う。


周囲にはいい匂いが漂っている。すると私のお腹が、グゥーっと鳴る。

恥ずかしくて俯いてると、頭をワシャワシャと撫でられ

「じゃあ、何か食べよう。何が良い?」

アラン兄様が聞くと。

「「肉!!」」

ジーン兄様とヴィーが言う。

ジーン兄様とヴィー、そっくりねぇ〜。

年齢も顔も全然違うのに、双子みたいだわ〜。


屋台が多く並ぶ通りにやって来た。

「「「わぁーーーー!!!」」」

ジーン兄様、ヴィー、私が感嘆の声を挙げる。

それをノエル兄様とアラン兄様は苦笑い。


串焼き肉、フランクフルト、ケバブサンドの様なもの、リンゴ飴の様なもの、じゃがバターの様なもの…色々な食べ物が売っている。

「アレ食おうぜ!!」

ジーン兄様が真っ先に串焼き肉の屋台に行く。それをヴィンスが追いかける。

私も追いかけたかったが、両手を握られているので走れない。

「アラン兄様、ノエル兄様、早く、早くーー!」

2人を引っ張るように歩く。

「わかった、わかったから。」

ノエル兄様は呆れながら言う。

アラン兄様は俯いて肩を震わせている。

「あっ、でも私、お金持ってない。」

重要な事に気がつく。

「大丈夫、俺達が持ってるから安心して好きなの食べたら良い。」

アラン兄様が言う。


串焼き肉は、塩胡椒味とタレ味があり悩んでいると

「ほら、俺の塩胡椒味ひと口あげるよ。ジョーはいっぱい食べれないだろ?他の物が食べられなくなるから、少しずつ食べたら良いんだ。はい、あーーん。」

と、ジーン兄様が塩胡椒味の串焼きを差し出す。

パクッ。「んーー、美味しい!」

「じゃあ、俺のタレ味も。はい、あーんして。」

と、ヴィーがタレ味の串焼きを差し出す。

パクッ。「んーー、これも美味しい!!」

このタレ、野菜だけじゃなく果物も入ってるのかしら?くどくない甘味が良いわねぇ〜。

そう考えながら咀嚼していると

「あぁーあ、口の周りが大変なことになってるよ。」

と、ノエル兄様が口の周りを優しく拭いてくれる。

「んっ…。えへっ、ありがとう、ノエル兄様。」

ニコッと笑う。


「「「キャーー。」」」

何事かと周りを見ると、女の子から年配の人まで何人かの女性がこちらを見ている。

さっきから視線を感じていたけど…コレね。

まぁ〜、4人とも変装に平民服を着ているけど…隠しきれないイケメンだものねぇ〜。あの『キャー』は黄色い歓声ってやつねぇ〜。わかるわぁ〜。

私も、推しメンと会ったら釘付けだもの〜。

あぁー、16人ダンス&ボーカルのカズの歌がもう一度聞きたいわねぇ〜。


「ねぇー、ジョー。その生暖かい目で僕たち見るの止めてくれない?」

ノエル兄様に言われる。

「うふふっ、お兄様たちモテモテだなぁ〜と思って。」

そう言うと…。

「いやいや、ジョアンも見られてるし。」

と、ヴィー。

「えっ!?」

よく見ると、同じ年ぐらいの男の子やジーン兄様やヴィーぐらいの年の男の子が私を見ている。でも、目が合うと顔を真っ赤にして目を逸らす。


「ともかく移動しようか(これ以上、ジョーを見せたくない)。」

ノエル兄様が言い、みんなで移動する。

「じゃあ、次は何食う?俺、また肉が良い!!」

と、ジーン兄様。

「私、アレ食べてみたい。」

と、私はリンゴ飴のような物を売っている店を指差す。

「あぁ〜リップル飴だな。じゃあ俺とジョアンはリップル飴で、ノエルはジーンとヴィンス連れて他を見て来たら良い。」

と、アラン兄様。

「「イェーイ!!」行こうぜ、兄上!」

ノエル兄様は、ジーン兄様とヴィーを追うように他の店へと向かう。


アラン兄様に連れられ、リップル飴の屋台へ行く。

そこには、リップルだけではなく飴にコーティングされた他の果物もあった。

よく見えるようにとアラン兄様に抱っこされる。

「わぁ〜色々あるね、アラン兄様。」

私の目は、感動でキラキラ。

「好きなのを買ったら良い。今日食べられなくても、ジョアンのストレージの中に入れておけば大丈夫だろ?でもヴィー達には内緒だぞ。」

と、アラン兄様が小声で言う。

「うふふ。じゃあ、サラとアニーにお土産にする。」

そう言って、リップル、アプリコッズ、イチベリー(いちご)の飴を選ぶ。

するとアラン兄様が店員に、3種類2個ずつ欲しいと伝える。

「サラ達が他の食べてたら、食べたくなるだろ?」

「ありがとう、アラン兄様。」

その会話を聞いていた店員が

「じゃあ、おまけでコレもあげよう。」

と、プルーベリーの飴を3つ追加で入れてくれる。

「わぁ〜ありがとう、おじさん。」

「おう、良いってことよ。いつもここら辺で売ってるからよ。また、買いに来てくれよな。」

「はい、また来ます!」

良い店員さんだわねぇ〜。

これは、また買いに来なきゃいけないねぇ〜。美味しければ、今度孤児院に差し入れしてみようかねぇ〜。


飴を買ってもらってニコニコしながら待っていると、ノエル兄様達が戻ってくる。手には先程見たケバブサンドのような物を持っていた。


「お待たせ〜。はい、アラン兄の分。ちょい辛口のソースだって。」

ジーン兄様がアランドルフに渡す。

「コレは何?」

ジョアンが聞く。

「これか?ジェットブルサンドってやつ。黒い牛の魔獣らしいぞ。ってか、サーチしてみたら?」

と、ジーンがサーチの部分だけ小声で言う。


「あっ、そっか。(【サーチ】)。」



[ジェットブルサンド 甘口ソース]

大型の牛型魔獣をケバブのように焼いて、薄く削ぎ落とした肉と野菜を挟んだサンドウィッチ。

ソースは店オリジナルの秘伝のソース


材質:牛肉。黒毛和牛に近いかな。

   パンっていうよりピタパンかなぁ〜。


食用:もちろん可。


食べ方:口の周りが汚れることなんて気にしないで、

    ガブっといっちゃって。


補足:ジーンは既にピリ辛ソース完食済み。

   ほらジーンの口元見て、ソースついてる

   でしょ?



「ジーン兄様、これ2個目なの?」

「それもわかるのか?」

「えっと、口元にソース付いてる。」

そう言って、ハンカチでジーン兄様の口元を拭いてあげる。

「あっ、ごめん。ありがとう。」


「「「「きゃーーー。」」」」

あっ、また見られてたのね…。

ファンの目って、目敏い…。

「後で食べるか。ジョアン、ストレージにしまってくれるか?」

と、アラン兄様が言う。

「はい。」

さすがに、大っぴらにストレージに入れる事は色々と問題があると考えて、4人に盾になってもらってササッとしまう。



「あっ、そうだ。マーティンとこ行こうぜ。ジョーも見たいだろ?鍛冶屋。」

ジーン兄様が提案する。

「見たい!見たい!!」

「よし、行くぞー!!」


「「おーー!!」」

ヴィーと共に片手を上げる。

ジーン兄様とヴィーに両手を握られて、鍛冶屋に向かう。


補足します。

ここでの、タレとソースは、料理に使う液状の合わせ調味料の一種のことです。

「タレ」は、料理中か食べる前につける。

「ソース」は、食べる前に上からかける。


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