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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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80.試作品

ーーー応接間にて。


「では、報告をお願い出来るかしら?」

お母様が早々に話を切り出す。


「はい、では俺…すみません。私の方から報告致します。ハンドミキサー、ブレンダーについては、試作品を製作中です。ハンドミキサーは手動なので何とか出来そうなのですが、ブレンダーにつきましては魔石を使用するので魔道具扱いとなりまして、未だ検討中です。それからカクテルシェイカー、クッキー型は試作品を今日持って来ましたので、確認頂けますか?」

そう言ってスティーブはストレージからカクテルシェイカーとクッキー型を出す。


カクテルシェイカーはジョアンが前世で使っていた物とほぼ同じ物だった。クッキー型は、希望したハート、星、ダイヤ、花、それと他より倍の大きさの浮き輪型。

「うわぁ〜、すごい!!私が説明した物、希望通りですー。スティーブさん、ありがとう。」

まさか、ここまで忠実に再現してくれるとは思っていなかったので、本当に驚いた。

「ホントっすか。あ〜マジ良かった。」

スティーブは頑張って話していた敬語が素に戻るぐらい安心した。なにせ説明を受けたが、見たこともない物を作るのだから不安でしかなかった。


「では、次は私ですね。えーっと、頂いたリストの鰹節削り器、お箸、お弁当箱は、今回試作品をお持ちしました。」

そう言ってダニエルさんもストレージから試作品を出す。

スティーブさんもだけど、ダニエルさんも【ストレージ】持っているのねぇ〜。

便利な収納スキルは職人さんには有難いわよねぇ〜。


そんな事を考えている間に、目の前のテーブルに試作品が並ぶ。


「えーっと、鰹節削り器はカンナという大工道具を元に作りました。で、お弁当箱は薄い板を曲げて作ってみました。お箸もお弁当箱と同じ木材で作ってみました。」


こ、これは…まさしく、曲げわっぱだわ。

確かに、説明した時に軽く話したけど…ここまで再現出来るなんて職人ってスゴい!!しかも、お弁当箱とお箸のこの色、この艶感って…


「ダニエルさん、もしかして漆ですか?」

「えっ!?ジョアン様、ご存知なんですか!?」

「あっ、はい…本で。でも、スゴい!完璧です!!ありがとうございます!!」

「あぁ〜良かった。頑張った甲斐がありました。あっ、お箸は試しに長いのも作ってみたんですけど、さすがに使いにくいですよね…。」

そう言って取り出したのは、まさしく菜箸だった。

「うわ〜っ!これ、欲しかったんです!!」

菜箸を持って喜んでいるジョアンを見て、ダニエルは作って良かった〜と呟いた。


「で、ジョアン、あなたの希望通りだったのね?」

「はい!予想以上の出来でした!!」

「そう、良かったわ。2人とも無理を言ってごめんなさいね。でも、本当にありがとう。」

「とんでもない。こちらも、色々勉強になりました。あとは、ハンドミキサーの試作品が出来たら、またお持ちします。」

「宜しくお願いしますね。」

「あの〜奥様、ジョアン様。一つお願いがありまして…。」

と申し訳なさそうにダニエルが話だし、ちらっとスティーブと目を合わせる。

何事かと2人を見ていると…。


「「試作品で作った物を、見せて下さい!!」」

そう言って、2人は頭を下げる。

「試作品を作ったものの、どんな風に使うのかいまいちわからなくて。それに改善点があるか見たくてですね……。」

スティーブが言う。

「ふふっ、まぁ、そうよね。私もわからないもの。と言う事でジョアン、何か作ってみせてくれる?」

「はい、喜んで〜。」

早く試作品を使いたいと思っていたから、受け答えが居酒屋風になってしまったわ。


「では、20分程お待ち下さい。準備して来ます。」

ペコリとお辞儀をして、厨房へ向かう。


お弁当箱には、ストレージのサンドウィッチを詰めて卵焼きとキャロジンを型抜きしてグラッセを作ろう。

鰹節はその場で削れば良いかしら?それにメソとお湯を入れたら簡単メソ汁が出来るわ。カクテルシェイカーは、カクテル作れば良いものね〜。



*****



タッ、タッ、タッ…バンッ。


「邪魔するよ〜。」

「オッサンの挨拶…。」

ベンがボソッと呟く。


聞こえてるからね。

しかも、そこは新喜劇ばりに『邪魔するんなら、帰ってや〜。』って言って貰わないと…。


「ジョアンちゃん、どうしたの?商談中だったんじゃないの?」

「うん、そう。試作品が出来たから、作って見せて欲しいって。」

「あっ、俺も見たいっす!!」

「えっとね〜、まずはお弁当箱。サンドウィッチと卵焼きとソーセージのソテー、キャロジンのグラッセを入れようと思って。」

ストレージからBLTサンドと鰹節から取った出汁を出す。

「ジョアンちゃん…ストレージの中どうなってんの?」

アーサーが呆れ顔で聞く。

「えっ?ほぼ食べ物?」

「あははは、食いしん坊っすね。」

「いや、だっていつ遭難するかわからないじゃない!」

「ジョアンちゃん…それ、どんな状況なんですか。」

アニーまで呆れ顔だ。


「…ともかく、卵焼きを作る!あっアニー、キャロジンを皮剥いて1cmぐらいの輪切りにして、これで型抜いてくれる?」

クッキー型をアニーに渡す。

「わぁー可愛い!」

クッキー型はアニーにも好評だ。

「本当はクッキーを型抜きするもんなんだけど、野菜も可愛く出来るでしょ?」

そう言いながら、卵液を作る。


ニコは甘い卵焼きが好きだったわねぇー。たまに、甘いのも食べたくなるけど、今日はだし巻き卵にしましょうかねぇ〜。

あっ、四角のフライパンも作って貰わないとねぇ〜。


お弁当箱にBLTサンド、卵焼き、ソーセージソテー、グラッセを詰める。

それを大きめのハンカチで包み、ランチバッグに入れる。

「よし、完成!みんな、ありがとう。」



あとは、カクテルを目の前で作って…。

シェイカーがあるから、今まで混ぜるだけのステアやビルド以外が作れるのは、嬉しい〜!!

でも、作るだけで呑めないのは苦痛なんだけどねぇ〜。まっ、みんなが喜んでくれるからねぇ〜。




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