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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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77.孤児院②

予定通り、3話同時更新の2話目です。

 友達になった3人と話していると、先程から私の事をじっと見ていた子と、慌てて目を逸らした子がこちらに来るのが目に入る。


「うわっ、来たわ。身体の大きい子がルーで、一緒にいるのがデニスよ。2人とも8才で、ルーは孤児院のリーダーなの。ちょっと乱暴なところがあるから、気をつけてね」

 と、メーガンちゃんが小声で教えてくれた。


 あらあら、いかにも典型的な大将と子分って感じね。あれからしら?俺様的な感じだけど情にあつくて、周りの子達に対しては、心の友よ〜って感じかしら?子分の方は気が弱そうだけど、大将と一緒だと強がるタイプかしらねぇ〜?


「おい、何ニヤニヤして見てんだよ!」

 ルーが睨みながら言う。


 あら?考えながら笑っていたのかしら?さすがに正直には言えないわよねぇ〜。


「えっ、あー、2人が来てくれたからお友達になれるのかなぁって思って」

「だ、誰が友達になんかなるかよ!お前、貴族なんだろ?だから俺らの事、馬鹿にしてんだろ!!こいつらの事だって」

 と、メーガン、タニ、コアを見る。

「貴族なのはお父様であって、私は違うわ。それに馬鹿になんかしてないわよ。どうしてそう思うの?」

「貴族は平民でしかも孤児を馬鹿にするんだよ!そういうもんだろ!」

「そう言うのは、あなたがどこかの貴族から馬鹿にされたの?それとも、誰かの受け売り?」

「俺が言われたわけじゃねー。で、でも大人が言ってたから間違いねーだろ!」

「何それ?大人が言ったら、全部正解なの?じゃあ例えば、大人があなたに孤児院のお金を盗んだ方がみんなの為だって言われたら盗むの?それが正解なの?」

「うっせーよ!恵まれた環境にいて、何不自由なく暮らしてるくせに!!お前に何がわかるんだよ!」

「わかんないわよ!わかるわけないでしょ?でも、自分が実際に見聞きした物事を信用しないと、今に誰かに騙されるわ。それが自分だけならまだしも、他の人に迷惑をかける場合だったらどうするの?それに対して責任取れるの?」

「ぐちぐち煩いんだよー!!」

 そう言いながら、私に掴みかかって来た。


「「「あっ!!!」」」

 メーガンちゃん達は、まさかルーが私に対して手をあげるとは思っていなかったので驚いていた。

 そんな私がルーに捕ま……りはしなかった。あと少しのところで、サッと避ける。また、掴みにかかる。でも、寸前で避ける。それを何度か繰り返す。

「はぁ、はぁ、はぁ…お前何なんだよ。ちょこまかと動きやがって」

 なかなか捕まえられずに、息が上がりその場で座り込むルー。

「えへへ、逃げるのは得意ーーー」

 ルーに話しかけている途中で、背後からの気配に気づき避けると

「えっ?うっわっ」

 私の背後から忍び寄り捕まえようとしていたデニスは、私が避けたことでバランスを崩し座り込んでいるルーの上に倒れる。


「大丈夫?」

 と、2人に聞く。

「痛って。お前が避けなかったら、こうはなってねーんだよ」

 ルーが言う。

「だって、避けなきゃ捕まえるでしょ?じゃあ、避けるでしょ〜。それに後ろからなんて男のくせに卑怯だと思わない?」

 何を当たり前な事聞いてくるのかねぇ〜。自業自得なのにねぇ〜。

「あー言えば、こう言う……本当に貴族令嬢か?」

「あはは、一応、ランペイル家長女、ジョアンですけど?何か?」

「貴族令嬢って、そんなに逃げるの上手いの?」

 デニスが聞く。

「普通は違うんじゃないかな?でも、私は私兵団と訓練してるから」

「「「「「はぁーーー!?」」」」」

 これにはルー、デニスだけではなく、近くで心配そうに見ていた3人まで驚く。

「あの、ジョアンちゃん……訓練って戦う?」

 メーガンちゃんが聞く。

「うん、そうだよ。自分の身は自分で守らないと。それに、周りに迷惑掛けたくないし、大切な人も守りたい」

「「「っ!!!」」」

 私の言葉に、男子3人が驚く。男子ならまだしも、女子でしかも貴族令嬢がどうして自分で守りたいのか、しかも大切な人を守りたいと言うと思わなかった。


「お前……苦労してんのか?」

 ルーが気になって聞く。

「んー、今のところ苦労はしてないかな?でも、今後苦労するかもしれないでしょ?誰も先のことはわからないじゃない。だから今やれることを、私はやりたいの」

「それが、訓練なのか?」

「うん。訓練もその1つかな?その他に、旅行したいし、色々と学びたいし、色々食べたいし、色々作りたい!!」

「そ、そうか、色々考えてんだな。なんか、お前、貴族っぽくないな」

 ルーが言う。

「はー!?どう見てもとーっても可愛い貴族令嬢でしょう?ねっ」

 と、カーテシーを取りながら言う。

「自分で可愛いとかいう、貴族令嬢はいない」

 デニスが言う。

「……令嬢は『はー!?』なんて……言わない」

 コア君までが呆れながら言う。

「何よ〜」

 私はみんなの言葉が不満で、ぶーっと頬を膨らませる。


「ぶっ!!「「あはははははーー!!」」」

「「ふふふふふっ」」

「なんで、みんなで笑うのよー!……ふふ、あははは」


 私までつられてわらっちゃったわねぇ。笑ってる理由が私だってのは納得いかないけど。でも、喧嘩の後にみんなで笑えるんだもの友達にもなれるわよね?



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