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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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72.懲りないやつ

 叔母様達のお弁当をストレージにしまい、厨房を出て辺りに人がいないのを確認する。

(えーと、演習場……。演習場……。【テレポート】)


 シュン。

「「「「「うわっ!!!!! 」」」」」

 転移した演習場には、アラン兄様以外にノエル兄様、ジーン兄様、ガンさん、マーティンさんがいた。

「えっ!?あっ…えへへへへっ」

「こら!ジョアン、伯父上に無闇に転移するなって昨日怒られたばかりだろ!」

 アラン兄様は私の頭を掴みながら怒った。ハンドクローは痛いですー。

「痛たたた…ごめん、ごめんってアラン兄様。た、助けてノエル兄様〜」

「はぁ〜。ジョー、いくら可愛い妹でも、さすがにコレはフォロー出来ないよ」

「うぅ〜、本当ごめんなさい。アラン兄様〜」

「わかったな?もう、するなよ」

「………」

「ジョー、何で返事しねーの?」

 不思議に思った、ジーン兄様は聞く。

「だって……便利なんだもん。だから、しないとは約束しない!!」

「なんで胸を張って、怒られる事どうどうと言えるんだよ」

 ジーン兄様は顔を手で覆って呆れていた。

「だってぇー、しないって言ってしたら怒られるでしょ?だったら、最初からやるって言えば良いのかと……」

「はぁー、ジョー、それは屁理屈って言うんだよ」

 ノエル兄様はため息を吐きながら言う。

「はぁー、ジョアンは転移を使いたいんだろ?じゃあ、転移先の人間が驚かないようにしないと。例えば……ここなら、演習場の端っことか」

 アラン兄様が提案をしてくれる。


「そっか、周りを驚かせるからダメなんだね。じゃあ、客室ならクローゼットとか?」

「「「何で、クローゼットなんだよ!!」」」

 アラン兄様、ノエル兄様、ジーン兄様が同時に言う。

「えっ、だって驚かない所」

「いや、ジョアンちゃん……いきなりクローゼットから人出てきたら驚くから」

 ガンさんが正論を言う。

「あっ、そっか。じゃあ浴室?」

「誰か入ってたら、どうすんの?アラン兄とか…痛っ…例えばだって、例えば!」

 ジーン兄様が例え話で、アラン兄様に叩かれた。

「っていうか、客室に転移しなければ良いんじゃないの?」

 ノエル兄様に言われ

「あっ、そっか。それも、そうだね。じゃあ、客室には転移なしで。っていうことで、これからも転移するから、みんな驚かないでね。うっ……いひゃい……アリャンにいひゃま、はにゃひてぇ」

 転移する宣言をしたら、両頬をアラン兄様に摘まれた。


「はぁー、だから何で怒られる事言うかなぁー」

 ジーン兄様に言われる。

「しかも、驚いた方に非があるように言い切った」

 マーティンさんも呆れていた。アラン兄様に散々怒られてようやく離してもらいベンチに座る。


「で、ジョーはどうしたの?」

 ノエル兄様が聞く。

「今日も朝練してるのかなぁ〜と思って」

「あぁ、誰かが転移で驚かせるまでは朝練してたんだけどな」

 そう言いながら、アラン兄様は目を細めてジョアンを見る。

「あははは…。あっ、はい、新作のスポーツドリンク。ミランジ味だよ」

 笑って誤魔化し、ストレージから人数分のドリンクを出して渡す。


 ゴクッ。

「「「「うっま!」」」」

「美味いな。コレの作り方もあとで教えてくれよ。」

 アラン兄様から頼まれる。

「うん、わかった。あっ……」

 思い出した。ヤバい、これはバレたら怒られる。

「ん?どうした?」

 アラン兄様は不思議そうに私を見てくる。

「ううん、何でもない。えへへへへ」

「ねぇージョアンちゃんコレ美味いし、なんか疲れが一気になくなるね。何が入ってるの?」

 マーティンさん、それは聞かないでーー。しかも、なぜ今なの?どうしよう、どうしよう…。誤魔化せるかしら?


「えっと……愛情?」


「「「「「へっ!?」」」」」

 案の定、みんなが呆気にとられる。

「あーーーっ」

 ノエル兄様が叫ぶ。

「何だよ、ビックリするだろ!」

 ガンさんが怒る。

「ジョー、もしかして使ったでしょ?」

 ノエル兄様が聞くが…

「ワタシ、ナニモシラナイヨ」

 動揺して、何故か片言になってしまった。

「あははは、何で片言なんだよ。あははははーー」

 ジーン兄様は笑った。

「ジョー……正直に答えなよ。スキル使ったね?」

 ノエル兄様に両肩を掴まれ、目を合わせられ質問される。


「「あっ!!」」

 ノエル兄様が言った事で、アラン兄様とジーン兄様もスキルの事を思い出し私を凝視する。

「……はい」

「はぁーー。もう、これは父上に報告しないとね」

「あっ、いや、ノエル兄様、それだけは……どうか。もう、しま…気をつけますから」

「どうして、そこで『しません』って言わねーんだよ。どうせ、同じ屁理屈なんだろうけど」

 ジーン兄様は不思議そうにしている。いつも前世の記憶のおかげで、あの父上やグレンでさえ口で言い負かせられるのに、自分に非があるとここまで屁理屈になれるのかと。


「はぁーわかったよ。じゃあ、そのミランジ味のドリンクは他の作り方を考えて。良いね?」

「はい!!」

「返事()()は、良いんだな」

 アラン兄様は嫌味を言うが

「もちろん!!」

 私は胸を張って言ってみた。

「ジョーアーンー!!」

 ノエル兄様にまた怒られる。

「ごめんなさーーー」シュン…。


「「「「「あっ!!!!!」」」」」


「はぁーー、なんで怒られたばかりで、またすぐ使うかなぁ〜」

 と、ジーン。

「…あいつ、本当に懲りないな」

 と、アランドルフ。

「はぁーーーー」

 ため息しか出ない、ノエル。


その3人を見て、ジョアンは可愛いけど色々と大変だなぁ〜と同情するガンとマーティンだった。もちろん、その後ミランジ味のドリンクの事は5人だけの秘密にした。


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