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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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71.賄賂

読んで頂きありがとうございます。

翌朝、いつも通り6刻前起床。

自室を出て、これまたいつも通り厨房へ向かう。


叔母様と叔父様にお弁当を作ろうかしらねぇ。朝食を食べずに7刻には出るって言ってたから、時間はあるわ。

ご飯がないから、サンドウィッチかしらね?

卵サンド、BLTサンド…あっ、この前作ったリップルジャムにシナモン入れるのも良いわねぇ〜。


そう考えながら歩いていると、外を歩くアラン兄様が見えた。今日は、昨日の夜半から雪が降り続いていて、いつもより一段と寒い。


天気とか関係なく朝練するなんて、ストイックねぇ。

サンドウィッチを作ったら、スポーツドリンクでも持って行ってあげようかしらねぇ。


ガチャ。


「おはよー。」

「おう、お嬢。相変わらず早いな。」

「ジョ、ジョアンさ…ちゃん。おはようございます。ご迷惑お掛けしました。」

「あっ、アニーちゃん。大丈夫?風邪の具合はどう?無理してない?」

「はい、もう大丈夫です。お医者様のことも、スポーツドリンクのことも、メソスープもありがとうございます。おかげで元気になりました。」

「良かった〜。これからは寝たら治るって思ったらダメだよ。ちゃんと誰かに頼ってね。」

「うぅ〜ありがどうございまずぅ〜。」

「あーもー、泣かないで。ね。」


ようやくアニーちゃんが泣き止み、サンドウィッチの件を話した。

「それは、ジュリエッタ様たち喜ぶだろうな。」

「朝食もサンドウィッチにしたら、良いかなぁ〜って思って。どうかな?」

「おー良いんじゃないか?パンとスープはもう出来てるから、あとは具材を作るだけだな。で、BLTってのは何だ?」

「ベーコン、レタシ、トメットを挟んだやつだよ。パンにマヨネーズを塗っておけば、パンが野菜の水分でぐちゃぐちゃにならないよ。」

「じゃあ、私、卵サンド作ります。茹で卵にマヨネーズですよね?」

「うん、お願いね。じゃあ、エイブさんはBLTで、私がリップルシナモンだね。あっ、タイキさんも、今日発つんだったっけ?」

「あぁー、アイツも忙しいからな。7刻前には出るみたいなこと行ってたぞ。ん?あいつの分も作るのか?」

「うん、賄賂的な?探して欲しい物あるから。」

「ん?何が欲しいんだ?」

「お米。前世では毎日食べてたんだよ。」

「それは、美味いのか?」

「美味い!!」

「あはは。じゃあ急いで作らないとな。アニー、鍋を火にかけたら念の為タイキに待ってるように言ってこい。」

「はい、わかりました。……よし、行ってきます。」


しばらくすると、アニーちゃんがタイキさんと共に戻って来た。タイキさんは既に最初に見た恰幅の良い商人の姿だった。

「エイブはん、ジョアンちゃん、おはようさん。なんや用あるって聞ぃたんやけど?こっちの準備終わったから来させてもろたわ。ほんで、何やの?」

「タイキさん、おはよう。朝食取らずに出発するって聞いたから。今、お弁当にサンドウィッチ作ってるからもうちょっと待ってて。」

「えっ!?弁当?俺に?ええの?」

「うん、もちろん。タイキさんのおかげで、セウユもメソも出汁まで手に入ったし。それに、探して欲しい物があって、賄賂かな?」

「お嬢、相手に賄賂って言っちゃうんだな……。」

エイブさんが呆れているけど、気にしない。


「あははは。賄賂なんかーい。まぁ、ええわ。探しといたるわ。ほんで、なに欲しいんや?」

「あっ、その前に私の作ったメソ汁飲む?野菜とションガーたっぷりだから、身体温まるよ?」

「おっ、ええの?飲む飲むー。メソ汁がここで飲めるなんてダメ元で持って来て良かったわー。」


ストレージからメソ汁を出して

「熱いから気をつけてね。」

「えっ!?ジョアンちゃんのストレージ、Sなん?」

「うん、Sだよ。Sの内容、知ってるんだね。」

「まぁ〜、色々と情報は知っとるからな。ほな、いただきますぅ。…モグ…うんまー。ションガーってメソ汁に合うんやなぁ。知らんかったわ。」

「ねぇータイキさんって前世の記憶持ちの子孫とか?」

「っ!!……なんで知っとるん?俺、旦那さんにも誰にも言ぅとらんで?」

「あー、えーと、食事前の所作で。《いただきます》の挨拶。」

「あーそうやな。今、言うとったわ。それでわかったん?じゃあ、もしかしてジョアンちゃんも?」

「うん。だから、もしかしたらご先祖さまと同郷かも知れない。その口調も懐かしいしね。」


「ジョアンちゃんも、このしゃべり方出来るん?」

「元の世界では、その話し方は方言だったの。私の前世の親がその方言だから、知ってるの。……出来るけど、そないに上手やあれへん。久しぶりに話すさかいに…おかしない?」

「うわぁ〜ジョアンちゃん、やっぱ俺のところにけぇへん?間違いなく、諜報活動できるで。」

「んー、まだ5才やし…大きぃなったら考えるわ。ほんでもええ?」

「ほなら、俺の奥さんでもええで?」

「あはは、タイキさんの年がいくつか知らんけど、年齢差があるやろー。」

「ジョアンちゃんなら年は気にしぃひん。大人なるまで待てるで。」

「アホなことを言うとるとしばくで?」



「お嬢……外国語話してるみたいだな。」

「はい……。でも、タイキさんの言葉使うジョアンちゃんも可愛いですねぇ。」

「まーな。でもスゴいのは、あんなに話しながらも一切手が止まらないって事だな。」

「確かに……。」



話しながらもサンドウィッチを完成させ、タイキに渡す。


「じゃあ、お米お願いしますね。」

「はいよ。次、来るまで探しとくわ。」

「お願いしますね。あっ、あとコレ。……はい、飴ちゃん。疲れた時でも食べて。」

ストレージから、ヴィー達の為に作ってあったべっこう飴を渡す。

「あははは、おかんみたいやな。ほな、またね。」

そう言って、タイキさんは屋敷を出て行った。






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