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コミカライズ連載中【WEB版】享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜《第11回ネット小説大賞 金賞受賞》  作者: ラクシュミー


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68.商人

ブクマ&評価ありがとうございます!

寮から戻ると、エイブさんが玄関ホールで待っていた。


「お嬢、商人が来たがどうする?来るか?」

「行く、行くー!!」

そう答え、3人と別れエイブさんと共に食堂へ向かう。

食堂には既に商人と思われる男性とアーサーさんが談笑をしていた。


「おう、待たせたな。お嬢、こちらが屋敷によく来てくれる商人のーーー」

男性は立ち上がり

「ムラサメ商会のタイキと申しますぅ。どうぞ、よろしゅうに」


うわぁ〜久々に関西弁聞いたわ。

あれかしら?ご先祖様が異世界転移か転生かしらね?

いかにもラノベっぽくて、いかにも商人よねぇ〜。

見た目は有名RPGに出てくる商人みたいな、恰幅がいいヒゲ親父だけど…。


「初めまして、ランペイル家長女、ジョアンです。今日は宜しくお願いします」

ペコリと頭を下げる。

「いや〜アーサーはんに、聞いとったけど奥さんによう似て、えらい別嬪さんやねぇ〜。まだ5才やゆうのに、将来が楽しみやわぁ」

「お嬢、こいつは胡散臭いけど腕は確かだからな。

んで、タイキ、今日は何かあるのか?」

「エイブはんは、相変わらずいけずやなぁ。今日は、こちらですわ。まずは、(あずま)の国の調味料ですねん。この黒い液体がセウユ。こっちの茶色のがメソって言うんです。ほんで、これがキャッツブシ」

「何だこれ?そこら辺にある木だろ?……ん?お嬢どうした?大丈夫か?」

エイブさんはキャッツブシを見て訝しそうに言うが、その横で私は俯き肩を震わせていた。

「ジョアン様、だ、大丈夫ですか?」

アーサーさんも心配そうに聞く。


「ふふふっ。あっははは。きたーーーーーー!!」

立ち上がって拳を突き上げ叫けんだ。

それを見て3人は驚き、固まった。


タッ、タッ、タッ…。ガチャッ。


「ジョアン!どうした!?」

お父様とグレイが食堂に駆け込んできた。

「あっ、お父様。ごめんなさい、つい嬉しくて…」

「あっ、なんだそういうことか…。ふぅ〜、良かった。何かあったかと思ったよ。あぁ、タイキ久しぶりだな、息災か?」

「へぇ、なんとか毎日気張っとりますわ。旦那さんも、相変わらずおっとこまえやなぁ〜」

「お前も、相変わらずみたいだな。で、ジョアンは何に興味を持ったんだ?」

「はい、こちらの調味料です」

「ん?これは流木かなんかか?」

「キャッツブシです、お父様。いい出汁が出るんです」

「あれ?お嬢はん、出汁なんて知ってはるん?」

「えっ、あっ、はい…。本で読みました…」

タイキさんには、私の前世の記憶持ちのこと内緒にした方が良いのよねぇ?

でも、今のは隠したのバレバレかしら?


ちらっとお父様を見ると、私の頭を優しく撫でながら

「大丈夫だよ、ジョアン。タイキは表向きは商人だが、我が家の《影》なんだよ」

「ん?影って?」

「商人をしながら、色々な所で情報収集をしてくれているんだ」


何それ?スパイ活動ってこと?

でも、スパイにしてはこんな体型で良いのかしら?

おじさんだし、動きにくいんじゃないのかしらねぇ〜。


「あっ、お嬢はん。なんや失礼なこと考えてはるでしょ?これは仮の姿でっせ」

「えっ!?仮の姿?」

「旦那さん、ええやろか?」

「あぁ、見せてやってくれ」

「ほな…ほいっと」

タイキが立ち上がりポンとバク宙をすると、着地した時にはイケメンの青年が立っていた。


「「えっ!?」」

アーサーさんも変装を解いたところは初めて見たため、ジョアンと共に驚いていた。

「お嬢さん、これが本当の姿ですよ。どうです?格好良すぎて驚きました?」

変装を解いたタイキは、口調も関西弁ではなくなっていた。

「は、はい、ビックリです。すごいキレイなバク宙で、脱いだ服はどこに?」

「へっ?そこなの驚くとこ?」

「「あっははははーー」」

ジョアンの受け答えに、お父様とエイブさんは大笑いだった。


いや、実際は驚いたのよねぇ〜。

まさかデブヒゲ親父が本当はイケメンなんて…。

しかも童顔で母性本能くすぐるような感じよねぇ〜。


「で、お嬢さんは出汁のこと、何で知ってんの?」

「ジョアンでいいですよ、タイキさん。あっ、お父様この際ですから言っておきます。私兵団も様付けなしで良いですか?せっかく仲良くなろうと思って砕けた喋り方になったのに、名前だけ様付けなんて嫌です。ダメですか?」

上目遣いでお父様を見る。目を逸らさずじっと見る。

「うっ…しかしなぁ〜」

「お願い、お父様。ダメ?」

ダメ押しで、手を合わせて首を傾げる。

「うぅ…わかったよ。許可する。ただし、呼び捨てと愛称はダメだからな」

「はい!ありがとうございます、お父様」

「旦那、お嬢に甘すぎじゃねーですか?」

エイブとグレイは呆れ顔だ。


「と言うことで、タイキさんもアーサーさんも様付けなしでお願いしますね」

ニコッと笑いながらお願いする。

「じゃあ、ジョアンちゃん。俺のところで諜報活動してみない?今の仕草とか完璧に男騙して情報得られるよ」


「「「タイキーーー!!!」」」

お父様、グレイ、エイブさんが怒鳴る。

「嘘ですって。でも、興味があったら言ってね」

ウインクをしながらジョアンに言う。

「その時は、連絡しますね。で、出汁はですねぇ、前世の記憶です」

「はい!?ジョアンちゃん、前世の記憶持ちなの?」

「はい、前世の記憶持ちで【無】属性の5才児です」

「マジか!?じゃあ、もしかしてそれ以外の調味料も知ってるの?」

「はい、すごい馴染みのあるものです。これがあれば、料理の幅が広がります。タイキさん、本当にありがとう!」

「へぇ〜、料理できるんだ。すごいねぇ」


「あっ、じゃあお父様、今日は久々にバーベキューしましょう!お祖父様たちもいるし、タイキさんもいるし」

「あーそうだな。久々にやるか?タイキ、今夜はウチに泊まりなさい。使用人寮の空き部屋あったよな?グレイ」

「はい、ございます」

「じゃあ、決定!!タイキさん、食べてって下さいね!!」

「ラッキー!ありがとう、ジョアンちゃん」


バーベキュー、醤油と味噌をゲットしたからちゃんとしたバーベキューのタレが作れるわぁ〜。

これで、タイキさんの胃袋を掴めば、米を探して来てくれるかしら?


なんとなくですけど…

商人=関西弁って感じがするのは、私だけでしょうか?

エセ関西弁っぽい場合は、ごめんなさい。

誤字報告頂けたら嬉しいです。

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